埼玉県議会議員 山川百合子

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平成15年12月定例会 一般質問

「日本一のNPO立県宣言」について

NPO立県の意味するところについて

山川百合子

 上田知事は、国会議員時代にNPO法の制定にお力を注がれましたように、NPOに関する施策については長年取り組んでこられました。

 マニフェストで日本一のNPO立県を宣言されているように、NPOを日本の社会に位置付けていくお考えを持っていらっしゃることと思います。

 そこで、まず上田知事のNPO立県の理念をお聞かせいただきたいと思います。
 NPO、NGO施策に力を入れることで、どのような埼玉をつくりたいと思っていらっしゃるのか。

 また、公益を担う組織として、NPOと行政の役割についての見解をお聞かせください。

上田 清司知事

 まず、日本一のNPO宣言についてのお尋ねのうち、NPO立県の意味するところでありますが、官から民、国から地方へという大きな流れの中で、地域の様々な課題について解決していく主体として、また新たなる公共サービスの担い手として、このNPOを重要な役割として位置付けたいというふうに思っております。

 いわゆるパブリックセクターとプライベートセクターの中間領域に、その任務があるのかなと思いますが、まさしく新たなる領域でありますので、今後NPOのそれぞれの活動の中で新しい展開もあるのかなというふうに思っております。

 いずれにしても、単純に公共の補完的な役割というような考え方ではなくて、それぞれが公共の部分がある、そしてプライベートな部分がある、そしてNPOの部分がある。
 そのNPOは、特に公共の担い手というときには、行政を補完するとかということでなくて、一緒にやっていくという姿勢が一番大事ではないかなというふうに私自身は受け止めております。

NPO基金について

山川百合子

 先月発表されました新生行動計画におきましては、NPO施策の具体的取組として、NPO基金条例の制定を含めたNPO、NGO支援の在り方の検討を15年度中に行うことが述べられています。

 施策の検討においては、基金や条例制定はもとより、県税における税制優遇などの検討も必要です。
 NPO施策の検討段階において、市民、NPO、NGOから意見を求めるだけではなくて、行政と市民が同レベルで一緒に検討するべきかと思います。
 NPO、NGO、有識者及び関係部局からなる検討委員会なるものにおいて検討する必要があると思いますが、現在どのように検討を進めておられますでしょうか。

 また、NPO基金構想には、税金と市民や産業界からの寄附を資金とし、その運営は、市民、企業、行政、有識者の代表からなるNPO法人が当たるという方法もあるかと思います。
 併せて御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

上田 清司知事

 昨日も答弁しておりますが、条例や公益信託による基金を含めた、NPO自身にとって利用しやすいような支援の在り方を、実際活動しているNPOの皆さんからの意見を聴取したり、あるいは学識者の意見を聞いてみたり、幅広い意見交換を今行っているところでありますので、具体的に進めるに当たっても、本当に県民こぞって参加できるような仕組みをつくることが一番大事だと思っておりますので、いましばらくこの実現についてもお時間をいただきたいというふうに思っております。

NPO、NGOへの職員の派遣研修について

山川百合子

 NPO、NGOについての理解を深め、より良いパートナーシップを築いていくためには、NPO、NGOに関する施策を検討するに当たって、関係者の参画の中で検討することは非常に重要ですけれども、それに加えて、行政の職員がNPO、NGOが現場で取り組んでいることをより理解するために、その活動の内側に入ってみることも大きな効果があるのではないでしょうか。

 既に県庁職員は、民間会社や政府機関、JICA、他県など様々な機関に派遣され、長期にわたる研修を行っていらっしゃると伺っています。

 来年度から、その派遣先にNPOやNGOも含めてはいかがでしょうか。
 現場から学ぶ姿勢で市民のセクターの内側に入ることで、市民と行政の関係の在り方をより広い視野から考えることができるのではないでしょうか。
 積極的な検討をお願いしたく、知事のお考えをお伺いいたします。

 平成16年度の予算編成については、ただ今検討されていることと思いますけれども、同じくNPO立県を宣言されている千葉県におきましては、平成15年度で本県と比較すると、予算においては8倍、また担当部局の規模においても4倍の開きがあります。

 日本一のNPO立県を目指す埼玉県において、16年度における本県の財政状況がますます厳しくなる中にあっても、是非千葉県に負けないくらいの予算措置を講じ、市民、NPOの事業力を強化する様々な取組、また、県民及び市町村のNPOに関する知識の普及啓発、そして県職員のNPOに関する理解の促進を含む重要な施策を展開していただきたいと思います。

上田 清司知事

 NPO活動の自主性、自発性という観点から、職員が自らの意思で活動に参加することに意義があると思います。
 そのことが、行政との連携を進める大きな力になっていくというふうにも思います。
 NPO活動の重要性を認識して、活動に参加していく職員も多数おりますし、このような活動をする職員を全体的にバックアップするということについても、県として考えなければならないと思っております。
 問題提起については、今後の課題になるかと思っております。

障害者の就労支援について

障害者施策に関する基本的な考え方について

山川百合子

 ノーマライゼーションの理念の広がりの中で、障害者福祉も大きく変化をしております。

 今年4月からは、これまでの行政が障害者サービスを決定してきた措置制度が改められ、障害者とサービスの提供者が対等な関係に立ち、契約に基づいたサービスを利用する支援費制度が導入されました。

 利用者本位のサービスが提供されることが期待される一方で、選択できるサービスが不十分である、予算も不十分であるなど、問題点が指摘されています。

 埼玉県では、今年3月に彩の国障害者プラン21が制定されましたが、そこでは、障害のある人もない人も一緒に育ち、学び、生活し、活動できる社会を目指すとし、ノーマライゼーションの理念を明確に掲げています。

 上田知事は、基本的にこの彩の国障害者プラン21を引き継がれていくことと思いますけれども、上田知事のマニフェストでは、障害者に関する施策について特に触れられておりませんので、まず、知事の障害者施策の理念と政策課題についてお聞かせください。

上田 清司知事

 私は、障害者基本法の基本理念にあるように、すべての障害者は個人の尊厳が尊重され、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利、このことを確保することが一番大事だと思っています。
また、社会を構成する一員として、社会、経済、文化、その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられる必要があると思います。

 私は、それに加えて障害者施策で一番大事なことは、自分自身の責任でないのに不利益をこうむることがないような、そういう仕組みをつくることが社会全体としての責務だというふうに思っております。

 互いに連帯して、それぞれ障害がある人もない人も社会の一員として自立できるような、そういう仕組みを一生懸命つくっていきたいというふうに思っております。

 先に開かれました埼玉障害者まつりや関東ろう者大会に私も出席をし、意見交換する場をいただきました。
こうした現場で活動されている人たちの本当に真しな思いというのも、このときにも受け止めさせていただきましたので、山川議員が御指摘されるような点からも私は考えていきたい、こんな思いであります。

 いずれにしても、どんな重い障害があっても、一人一人が尊厳を持って、地域で自分らしい生活を安心して送れる社会の実現を目指して、各種のバリアを取り除くことが課題であると考えています。

 行政の視点からだけではなく、障害者の方々の生の声を生かしながら、平成15年度から19年度までを計画期間とする彩の国障害者プラン21の着実な実現を図ります。

障害者就労支援センター支援について

山川百合子

 ノーマライゼーションの理念を追求し、障害のある人とない人が共に働き、生活できる社会を実現するために取り組むべき課題はたくさんあります。
 障害を持つ方の自立生活を支援する取組の中で、就労支援は極めて重要な施策と考えます。

 彩の国障害者プラン21でも、県内市町村における障害者就労支援センターの設置の促進を掲げ、現在県内5か所にあるセンターを、平成19年度までに19か所にするという数値目標も掲げています。

 職業安定所や埼玉県西部地域障害者雇用支援センターなどの県内の広域を対象とした機関以上に期待されているのが、この市内を対象にして障害者のニーズを的確に把握できる立場にある障害者就労支援センターであると思われます。

 ところが、現在県内5か所にあるこの就労支援センターには、センターの立ち上げにこそ、県から年間200万円を限度として3年間にわたる補助金の制度がありますけれども、ようやく軌道に乗り始めたところで補助金がストップしてしまいます。

 そろそろ3年を過ぎようとするセンターでは、どこもその対応に苦慮されています。
 あともう1人専門のスタッフがつけば新たな職場開拓もできるのに、それができないために悔しい思いをされているところもあります。

 また、聴覚障害の利用者に対しての手話通訳も、現在は手話通訳者の派遣や就労支援センターのスタッフの個人的努力で何とかしのいでいるのが現状ですけれども、聴覚障害者団体からは、情報保障という観点からも通訳者の常時設置という形で臨んでほしいという声もあります。

 言うまでもなく、このような課題につきましては、各地域に根差した障害者団体との間でより良い解決の道を模索中とは思いますけれども、県としましても市に任せきりにするのではなく、市と一緒にやっていくんだという姿勢を見せてほしいと思います。

 例えば地域に根差した障害者職業開拓員のようなものを障害者就労支援センターに配置できるようにするとか、雇用問題を考えている地域の障害者団体と県や国の出先機関である労働局が一緒になって検討会を開くなど、どうしても支援を必要とするセンターに対する従来の補助金の継続はもとより、障害者の就労促進に向けて前進するために様々な方法があると思われます。
 より積極的な障害者就労支援の取組を求めたく、労働商工部長にお伺いをいたします。

馬場竹次郎 労働商工部長

 居住する地域から離れて働くことが難しい障害者の就労支援につきましては、基本的には住民に最も身近な市町村で取り組むことが効果的と考えております。

 したがいまして、県では、障害者一人一人の能力に合った雇用の場の確保と職場定着をきめ細やかにサポートする市町村障害者就労支援センターの設置促進に取り組んでおります。

 現在5市に設置されておりますが、平成16年度には更に3市で設置される見込みとなっております。

 就労支援センターの設置促進を図るため、センターを設置する市町村に対して助成を行っておりますが、この助成は、センター開設当初の負担を軽減し、その後の市町村の円滑な取組につなげていくという観点から、3年間に限定して行っておりますので、御理解をいただきたいと存じます。

 県といたしましては、開設当初の助成に加えまして、就労支援センターの活動が円滑に進むように、埼玉労働局と連携した県内各地での障害者の就職面接会の開催や、企業訪問により得た求人情報のセンターへの提供、センターに登録された障害者のインターンシップを受け入れていただく企業の開拓など、様々な取組を行っております。

 平成16年度には、センター職員のための研修も行うこととしておりまして、今後とも市町村と一体となって障害者の就労支援に積極的に取り組んでまいります。

県庁内での実習について

 

山川百合子

 障害者の就労を進めていくに当たっては、様々な施策を打ち出していくことはもとより、県が率先して就労支援に取り組む姿勢を示すことも、また必要です。

 新座市では、障害者就労支援センターが市役所の中に設置され、障害者が毎日市役所に来て、市役所の仕事の一部を行っております。

 就労支援センターの所長は、健康福祉部に所属する市の職員でございます。
新座市の取組は新座方式と言われ、県内、それから県外からも多くの視察が訪れております。
埼玉県庁内においても、平成14年度には障害者福祉課で1名の知的障害者の方の実習を1か月間行われたと伺っています。

 今年度は雇用対策課及び教育局でも実習を検討されているようですが、この試みを更に広げ、各部局において職場実習を行うことで、必ずしもすぐに就労に結び付くような実習にはならなくても、障害者にとっても、そして職員にとっても、相互理解を推進し、ノーマライゼーションの理念を庁内から実践していく取組の1つになると思います。
県庁内での就労実習を積極的に検討していただきたいと考えますが、労働商工部長の見解をお伺いいたします。

馬場竹次郎 労働商工部長

 昨年度健康福祉部で障害者の職場実習を実施いたしましたが、今年度は健康福祉部に加えまして、特に障害者施策に関係が深い労働商工部、教育局で実施を計画しております。
 実習に当たりましては、職場の受入体制や障害者の行う仕事の内容、障害者に対する支援の方法などの課題の把握や、職場実習をいかに就労に結び付けるかという観点から、具体的に検証を行ってまいります。

 今後につきましては、このような検証を踏まえて、関係部局と連携しながら検討を進めてまいります。

埼玉県ホームページについて

山川百合子

 IT時代に突入した現在、インターネットは県民、市民にとって非常に身近な情報収集、情報提供のツールとなり、全国47都道府県すべてがホームページを開設しております。

 ITが発達したことによって、これまでは広報誌で情報が提供されるのを待つ、役所に電話で問い合わせる、あるいは役所まで出向いていたと思いますけれども、今は自宅あるいは出先にいながらにして、いつでも、どこでも必要な情報を入手できる時代になりました。

 平成7年度にスタートした埼玉県のホームページも、毎年見直しを重ね、現在のものは今年の4月に改訂されたと伺っています。

 現在は、毎日平均1万件のアクセスがあるということですので、情報へのアクセスの場としてホームページが大きな役割を担っていることがうかがえます。

 多くの県民にとって県政が身近なものとなるかどうかの入り口は、ホームページにあると言っても言い過ぎではないでしょう。
 私自身にとっても、埼玉県政に関する情報の入り口はホームページでした。

 しかしながら、県行政に関するある程度の知識を持つようになるまでは、情報収集に戸惑った経験があることから、改善方法があるのかどうか、他県のホームページとの比較を試みました。

 ここでは、パネル等を用いての比較検討はあえて控えさせていただきますけれども、埼玉県のホームページの特徴として、文書の寄せ集め、掲示板的な印象が強いように思われます。

 検索システムは、キーワードが含まれている文書が何の整理もなくすべてヒットするなど、よほど県政についての知識を持っている利用者、あるいは根気よく1つ1つ丁寧に調べるタイプの利用者でないと、必要としている情報を見つけることは容易ではありません。
 県行政を広報するホームページは、ガイドブックのような形のホームページであるべきではないでしょうか。

 情報を網羅すること、必要な情報にアクセスできるように、どんな情報も掲載することは必要かつ重要で、今後も継続すべきと考えます

 けれども、ページとサイトの構成、検索システムにおいては、利用者のニーズをあらかじめ想定して、ホームページ上にページを作成し、また親切に利用者を導くものであってほしいと考えます。

 もちろん、広聴広報課でも様々な工夫をされていると思いますし、また、ユーザーのIT利用レベル、また県政の知識のレベルは様々ですので、全利用者にとって最も使いやすいホームページというのは存在するわけがありません。
 しかしながら、情報の発信の在り方として、県としてはどのような基本姿勢を持っておられるのか、利用者のターゲットは県政情報初心者であるべきと私は考えますけれども、県ではどこに想定しているのか、総務部長にお伺いをいたします。

 また、少なくともメインターゲットとして想定する層にとって使いやすいと感じ、ホームページを通じて県政が身近なものとなるようにするために、ユーザーの意見をもっと広く求めてみてはいかがでしょうか。
 県民からホームページの構成についての意見が寄せられることを待つだけではなくて、例えばホームページ上の埼玉県民コメント制度の意見募集のテーマとして、ホームページの使いやすさについて取り上げ、県民、ユーザーの声を聞いてみるのはいかがでしょうか。

 その際、ITやホームページを使い慣れていない方は、ホームページの構成について自ら意見を言う段階には至らないと思われますので、埼玉県ホームページとは構成の異なる他県の例、例えば長野県や鳥取県、そのほかの例を並べつつ、選択形式で意見を聞いてみるといった方法もあると思われます。
 併せて総務部長に御所見をお伺いいたします。

 さらに、県政をより身近に感じられるために、例えば県庁で働く職員の人となりを伝えていくような発想もあってもいいのではないでしょうか。
 上田県知事のいろいろな場面での率直なコメントが文章となってホームページ上で知るところとなりますけれども、その人柄、そして考え方をうかがうことができます。
 顔の見える県庁的発想は、大胆過ぎるでしょうか。
 総務部長に御所見をお伺いしたいと思います。

今井大輔 総務部長

 まず、初心者にも使いやすいホームページについてでございますが、県では、県のホームページを電子県庁の総合窓口であると同時に、重要な広聴広報媒体の一つとして位置付けておりまして、その充実を図ることにより県民サービスの向上を図り、開かれた県政を一層推進することとしております。

 御指摘のように、これまで県のホームページは、それぞれの課所の創意工夫に任せている部分が多く、内容に濃淡があり、県政全般を網羅した情報となっていないなど、必ずしも県民誰もが見やすく使いやすいとは言えない状況にございました。

 このため本年一月、県ホームページに関する基本方針を定め、提供すべき情報などの基本的事項や検索しやすいページづくり、画面表示が速く使いやすいページづくりなどの留意事項をまとめ、全庁的な連携の下に推進していくことといたしました。

 この基本方針の中でも、県民誰もが見やすく使いやすいホームページづくりに努めることといたしておりまして、高齢者の方々や、お話のような県政情報初心者にも使いやすいホームページを目指して改善してまいります。

 次に、広く県民の意見を求めてはどうかとの御提案でございますが、本年4月のトップページ改訂に当たりましては、インターネット県政モニターによるアンケートやホームページに寄せられた御意見も参考にいたしまして、検索しやすくするための情報分類・目次を見直ししたほか、文字の大きさや色使いを工夫するなど、デザイン、レイアウトを変更いたしました。

 今後とも民間や他県のホームページなどを参考にするとともに、お話にありましたように、ITやホームページを使い慣れていない県民の皆様が意見を出しやすい方法も検討し、幅広い県民の皆様からの御意見をいただいてまいります。

 また、県のホームページの多くは職員の手づくりによるものでございます。
 現在、職員研修としてホームページ作成基礎研修や応用研修などを実施いたしておりますが、今後これらの研修を充実するなどいたしまして、県政をより身近に感じ、親しみを持っていただけるよう、さらには、お話にありましたような職員の顔が見えるようなホームページづくりを目指して努力してまいります。

子育て支援について

山川百合子

 子育て支援、少子化対策の取組の1つとしての、特に学童保育施策についてここではお伺いしたいと思います。
 上田知事は、マニフェストの中で、埼玉県を日本一の子育て・教育・医療・福祉立県にすることを宣言され、女性が働きやすい環境をつくり、少子高齢化問題を解決するために、子育て支援策を徹底すると述べられております。

 先月発表された新生埼玉行動計画において、保育所の待機児童数を4年間でゼロにするという知事公約を実現するために、保育所の整備、家庭保育室の設置、幼稚園や学校の園舎、教室などの活用、また幼稚園の預かり保育の活用、特定保育等の拡充など各年度ごとの数値目標も示されました。
 安心して子育てのできる県として全国に例を示すためにも、目標を確実に達成していただきたいと思います。

 日本一の子育て立県として、女性が働きやすく子育てしやすい県にしていくためには、就学前の子供の保育支援の充実と同時に、就学している子供を持つ家庭が安心して働き続けられる環境を整えることも重要です。
 就学児童の親の就労を支援するために、埼玉県では国に先駆けて、1973年に学童保育施策を開始しました。
 以来、市町村に対して学童保育の支援を継続的に行ってきた結果、現在では県内の小学校数に対する学童保育設置率は84パーセントとなっています。

 しかし、設置率が県民のニーズにこたえられているということには必ずしもなりません。
 学校に学童が設置されていても、公立学童保育などでは定員制限があるため、入所できない待機児童がたくさんおります。
 また、施設の設置基準がないために、非常に狭い空間に多数の子供たちがひしめき合うという、生活の場にふさわしい施設・設備となっていない学童保育も多数あります。

 学校の空き教室を利用しているところでは、通常40人以下の児童が学ぶ広さの教室に、キッチンスペースをとった上で、60人以上の子供がおやつを食べたり宿題をしたり昼寝をしたりという状況のところも珍しくありません。
 学童保育において障害児を受け入れていない学童も約7割近くあります。

 さらに、障害児だけで構成している障害児学童保育の運営は、通常の学童保育以上に多くの困難があります。
 障害の程度に応じて補助対象数以上の指導員を学童独自で配置しているために、保育料の保護者負担を通常の学童保育より高く設定しても、指導員が安定して働き続ける状況を確保することはできません。

 施設も、2003年度は県内37か所の盲・ろう・養護学校学校に対して21か所となりましたけれども、3か所以外は民家などを保護者が準備をして、また送迎車両の維持も保護者が独自で行っているのが現状です。

 埼玉県の学童保育予算は、施設数の増加に伴って増加しておりますけれども、一か所当たりの補助額は、98年をピークに減額しています。

 財政状況の厳しい中にあっても、更に学童保育の充実を図ることで、全国に子育て支援、少子化対策の一つのモデルを示すことになると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 また、国からの補助の一切ない県単独事業である障害児学童保育の充実に向けて積極的に取り組むことで、子育て、福祉、そして教育分野の総合的な取組を他県にも示していけることと思います。

 一か所当たりの補助基準額の増額、障害児担当指導員の人件費補助の増額、そして障害児の数に応じた指導員の配置をはじめとしまして、保育所の待機児童をゼロにする取組と並び、学童保育、そして障害児学童保育の量的・質的環境整備の充実に向けて、平成16年度も更に力を注いでいただきたいと思います。

 平成16年度中に策定される次世代育成支援対策行動計画において、学童保育の質的・量的拡充はもとより、障害児学童保育の拡充についても明確に位置付ける必要があると思います。
 県の行動計画だけではなくて、市町村に対しても働き掛けていただきたいと思います。
 2つの質問、併せまして健康福祉部長にお伺いしたいと思います。

上田清司 知事

 学童保育と言われております放課後児童クラブは、仕事と子育てを両立させるために大変大きな力を持っておりますし、子供が個性的に豊かに過ごせる生活の場としても、極めて重要な役割を担ってきたというふうに理解しています。

 先日、放課後児童クラブについて御要望を承った際、子供たちの気持ちを真正面から受け止めながら、日々の保育をされている指導員の方々から直接お話をお伺いしました。
 第一線で子供たちのために御尽力いただいている方々の努力に大変感銘を受けるとともに、次の世代を担う子供たちがすこやかに育つための環境づくりについて、更に頑張らなければという思いを強くしたところであります。

 今、放課後児童クラブは現在県内に714か所あり、そのうち小学校の余裕教室を活用したものが最も多く、全体の26パーセント、百83か所が整備されております。
 今後とも小学校の余裕教室があればしっかり活用して、障害児担当の指導員に係る人件費の助成なども含めて進めていきたいというふうに思っております。

 少なくとも児童一人につき1.65平方メートル、いわゆる畳一畳分の施設面積を確保すること、常時2人以上の指導員を確保すること、さらには毎年度事業計画を作成するなど、放課後児童クラブの設置及び運営の基準を定めた県独自のガイドラインを、全国に先駆けて本年度中に策定すべく、現在市町村を交えた策定会議を重ねているところであります。
 この点についても、全国的に先駆けたガイドラインをつくることについても苦心しているところでもあります。

 これらの取組により、養護学校に通学する児童が入所する養護学校放課後児童クラブを含めて、保育サービスの向上を図り、日本一の子育て県づくりに全力で取り組んでいくつもりであります。

伊能睿 健康福祉部長

 通常の放課後児童クラブや養護学校放課後児童クラブは、障害のある子供にとりまして、社会性や自立性を身に付ける場として大きな役割を果たすとの考えから、児童の積極的な受入れを進めております。

 県といたしましては、これまで養護学校放課後児童クラブに対する運営費の助成を行ってまいりましたが、本年度から新たに通常の放課後児童クラブに障害児が一人以上在籍する場合につきましても、担当指導員の人件費を助成することといたしました。
 今後とも引き続き学童保育や障害児学童保育の充実に努力してまいります。

 また、次世代育成支援対策行動計画につきましては、現在、各市町村において障害児を持つ家庭を含め子育て家庭全般のニーズ調査に取り組んでいるところでございますが、県では本年10月、関係部局からなる次世代育成支援対策のための庁内組織を設置するとともに、市町村に対する情報提供を行うなど、行動計画の策定に向けた支援を行うこととしております。

 お話にございましたように、放課後児童クラブはもとより、障害児学童保育につきましても、少子化対策の一環として明確に行動計画の中に位置付け、必要なサービスを充実していくよう市町村に強く働き掛けてまいります。

警察官の増員と防犯のまちづくりについて

山川百合子

 安全の国であった日本において、毎年犯罪件数が増加、逆に検挙率は低下し、本県では昨年度において刑法犯の検挙率が全国平均を大きく下回るわずか12.8パーセントでした。
 埼玉県の警察官一人当たりの負担人口が条例定数で全国最下位であり、警察官の絶対的不足が如実に表れた現実となっています。

 私の住む草加におきましても、ひったくり、路上強盗が県内で上位を占め、私の周りにも、実際に被害に遭った方々が少なくなく、どのような手口だったかが日常の話題になっております。

 各地の住民の防犯と治安に対する関心は非常に高く、本年7月から9月に警察本部が行った県民意識調査でも、約7割の県民が警察官のパトロール強化を求めていることが分かりました。

 知事は、マニフェストで4年間で1000人の警察官の増員を約束され、行動計画においては各年度ごとの増員数を示されました。

 各地域警察署から警察官の増員の要望が上げられていることと思いますけれども、いつ、どこの警察署に何人が増員されるということを示すことは難しいと聞いています。
 県内警察署への配置に当たり、どのような要素を勘案して決定されているのでしょうか。
 単純な人口比だけでなく、犯罪発生率、発生犯罪の内容など様々な要素を考慮した総合的な判断がなされるべきかと思います。
 青少年の犯罪にはベテランの警察官や、少女が関連する犯罪には女性の警察官が、より適切ということがあるでしょう。
 単純に人数だけを増やすのではなくて、地域の犯罪発生傾向を把握した上で、より適切な人員配置を行うべきと考えますが、現状と今後の配置予定について警察本部長にお伺いいたします。

 また、地域の防犯は、警察官の増員だけでは到底取り組めるものではなく、地域総ぐるみでの取組が必要であり、16年度は、まちの安全をまもる施策の部局横断的事業を予算の特別枠を設けて実施するなど、包括的な取組が計画されています。

 行動計画では、防犯のまちづくりにかかわる市町村の取組及び住民活動を促進する中で、重点市町村を指定するとあります。
 これは、既に平成15年度実施しているものを継続して行うということですが、戸田市と越谷市で行われている取組はどのようなものでございますでしょうか。
 また、重点市町村として指定する基準はどのようなものであるのか、総務部長にお伺いをしたいと思います。

今井大輔 総務部長

 防犯のまちづくりにつきましては、市町村と連携して自治会などの地域における自主的な活動の促進を図ることが極めて重要であると考えております。

 防犯のまちづくり重点市町村は、犯罪発生率の高い市町村や、犯罪が急激に増加している市町村を2年間の期間で指定し、県も協働して防犯パトロールなどの住民活動の促進や推進体制づくりの取組を重点的に進めようとするものでございます。
 本年度は、昨年の刑法犯の発生率が最も高い戸田市と、ひったくりと路上強盗の発生率が最も高い越谷市を指定いたしました。

 戸田市では、街頭キャンペーンや防犯講習会の開催をはじめ、大半の自治会においてパトロール活動が行われております。
 越谷市におきましても、住民パトロールや防犯講習会を実施するとともに、学校や地域での安全マップづくりなどの取組が始められております。
 防犯のまちづくりに欠かすことのできない地域を見守る目と連携の輪が着実に広がっております。
 県では、重点市町村におけるこうした取組や他の市町村の効果的な取組を事例集として取りまとめ、全市町村に配布するなど、その成果を全県に波及させてまいります。
 今後市町村の意見もお伺いしながら、重点市町村の拡大を図るなど市町村との連携を一層強め、県民総ぐるみの防犯のまちづくりの推進に努めてまいります。

茂田忠良 警察本部長

 まず、警察署への警察官の定数配置の現状でありますが、配置人員の算出に当たっては、統一的な数式があるわけではありません。

 人口、世帯数、犯罪の発生件数や犯罪の凶悪度、交通死亡事故を含む交通事故の発生状況、110番の受理件数などを総合的に勘案して配置しております。

 本県は、いずれの警察署も人員不足が著しい状況にありますので、警察本部よりも警察署を優先して配置しており、中でも特に人員不足の警察署に重点的に増員してまいりました。

 また、最近の配置の分野別重点につきましては、国が増員に当たって、交番機能の強化、街頭犯罪対策あるいは来日外国人犯罪対策などの増員項目を示しておりますので、これらに沿った配置をしております。

 さらに、実際の人員配置に当たりましては、分野別の業務の特性に応じた警察官の配置に努めております。
 御指摘のように、女性が関連する犯罪には女性警察官の配置にも努めております。

 ところで、平成13年度と平成14年度に増員されました警察官7百80人は、基本的に警察学校における訓練を終了いたしまして、現在、現場で実力を身に付けて、名実ともに一人前の警察官となりつつあります。
 現在、その成果が街頭活動などにおいて徐々に感じられるようになっております。

 また、最近凶悪犯の現行犯逮捕、あるいはそれに近い形での逮捕が目につくようになっております。
 先週の金曜日にも、拳銃を使用した郵便局強盗がありまして、同日中に犯人を発見、逮捕することができました。
 私は、これも増員の成果であると考えております。
 県議会の皆様の増員への御尽力、御支援に、この場を借りて御礼を申し上げます。
 今後の警察官の配置につきましては、人口、世帯数をはじめ、各種事件事故の発生実態など様々な要素を総合的に勘案して、引き続いて効果的な配置に努めてまいります。

部局連携事業について

山川百合子

 知事は、9月の定例会における蒲生議員の部局横断型の予算編成方式に関する御質問に対して、部局横断的な議論を早期に開始し、その成果を来年度予算に生かしていきたいと答えられました。

 平成16年度予算編成の基本方針では、事業の選択と集中を図ることが強調されるとともに、部局が連携した施策展開を推進することが明記され、知事のすぐやる姿勢が表れていることは高く評価すべきことと思います。

 平成16年度予算編成の基本方針では、生活者の視点に立った効果的、効率的な施策展開を図るとともに、県民、NPOとの協働による手法などの検討を行うため、3つの重点テーマを掲げています。
 すなわち、子供の生きる力をはぐくむ施策、まちの安全を守る施策、そして交通事故防止対策でございます。

 そして4番目として、そのほか部局からの提案項目も検討する余地があるとしています。
 急速に変化する社会の中で、複雑化し多様化する県民ニーズに対して、公益に資するサービスというのは、各部局の守備範囲をはるかに超えた包括的なものであることが少なくないと思われます。
 縦割り行政の枠にとらわれず、課題を解決するために関係部局が連携をとり、問題解決に当たることは今後ますます重要になってくると考えます。
 部局からたくさんの提案があることを期待しております。

 私は、この重点テーマの1つとして、少子化対策も非常に重要ではないかと考え、少子化に歯止めをかける施策を提案いたします。
 昨年9月に少子化対策プラスワンが制定され、従来の保育中心の取組に加えて、男性を含めた働き方の見直し、地域における子育て支援を含む総合的な取組に、国を挙げて本格的に乗り出しました。
 今年7月には次世代育成支援対策推進法が制定され、地方公共団体及び企業等事業主にも行動計画の策定が義務付けられております。
 各地域で少子化対策の総合的取組の準備が進んでいます。

 このような状況の中で、少子化に歯止めをかける施策は早急に部局が連携して取り組まなければならないテーマと考えますけれども、知事の御見解をお伺いいたします。

上田清司 知事

 多様化する社会環境や県民ニーズに的確に対応するためには、各関係部局が垣根を越えて連携をとり、問題解決に当たることが、ますます重要になってきております。
 まさしく山川議員が指摘するとおりであります。

 そこで、私は平成16年度当初予算を編成するに当たりまして、部局を横断する重要な政策の課題については、重点事業特別要求枠を設けたところであります。
 具体的には、子供の生きる力をはぐくむ施策、日本一の子育て立県を目指して、健康福祉部、教育局などがこれに当たっております。

 まちの安全をまもる施策については、直接県民に安心・安全が実感できるよう、総務部や警察本部などが当たっております。

 また、交通事故防止対策については、環境防災部、県土整備部、警察本部などが、それぞれのお互いの分野で協力できる具体的な方法を持ち寄って、より効果的で効率的な事業の展開に向けて取り組んでいるところであります。

 さらに、この3つのテーマ以外にも、各部局から事業を提案することができるようにいたしております。
 御提案の、少子化に歯止めをかける施策を部局連携して取り組むべきということについてでありますが、私はマニフェストを具現化するために、このたび策定した新生埼玉行動計画において、保育所の待機児童を解消すると掲げております。
 少子化の問題も大変重要な問題だと認識しておりますし、保育所の整備や放課後児童クラブの整備など、少子化対策に関する総合計画であるエンゼルプランの各施策を進めていくことが必要であると考えております。
 今後予算審査を進めていく中で、関係部局が連携し、より効果的で効率的な事業展開が図られるよう取り組んでいくつもりであります。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、正式な会議録とは若干異なります。