埼玉県議会議員 山川百合子

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平成16年9月定例会 一般質問

次世代育成支援対策の推進について

県及び市町村における県民・市民参加について

山川百合子

 行動計画は、その策定に当たって行われるニーズ調査の段階から、幅広い関係者の参画の下、行われることが必要不可欠です。
 そこで、県のこれまでのニーズ調査、現在の計画策定、そして来年度からの実施においてどのように市民や勤労者が参画し、また参画する予定であるのか伺います。

 行動計画を一年前倒しで策定し、県内市町村の参考例となっている新座市は、市民が当初より中心的役割を果たしてきたものとして一定の評価をされていると思います。

 市町村の行動計画策定に当たっても、市民や勤労者が参画するよう県としてはどのように助言していかれますか、併せて健康福祉部長にお伺いいたします。

伊能睿 健康福祉部長

 県計画策定における市民などの参加についてでございます。
 次世代育成支援対策行動計画の策定に当たりましては、幅広い関係者の参画を得ることが極めて重要と考えております。
 県計画策定のための協議会については31名と他県に比べても多くなっており、母子愛育会、PTA連合会、青少年相談員、子ども会、子育てNPO、学童保育連絡協議会、さらには保育所や児童養護施設の代表者、一般公募の県民など、大変多くの方々に参画していただいております。
 この計画策定協議会のメンバーを中心といたしまして、平成17年度以降、行動計画推進協議会を設け、計画の進行管理を行います。

 次に、市町村の行動計画策定に当たっての市民参加についてですが、現在、計画策定協議会は全市町村で設置済みであり、このうち約六割となる五十五市町村では、住民からの公募による委員を登用しております。
 県といたしましては、市町村との連絡調整会議などを通じて、引き続き住民参加による計画策定を働き掛けてまいります。

県行動計画の実施状況の検証について

山川百合子

 総合的な取組である行動計画が地域の状況に即して実施されているかを把握し、状況に即した対応をするためには、実施状況及びその成果を検証するモニタリングと評価が必要です。

 行動計画の中で、モニタリング及び評価の在り方についても明記されることが重要と思われます。

 また、各取組について、その実施状況及び成果を検証するためには、できるだけ明確な目標設定がされていることが望ましいわけですが、行動計画に明確な数値目標を設定し、実施状況の検証を行っていくことについて、健康福祉部長の基本的な考え方をお伺いします。

伊能睿 健康福祉部長

 計画の策定に当たっては、エンゼルプランに対する検証を踏まえて、可能な限り数値目標を設定することとしております。
 県の行動計画は、市町村の数値目標を積み上げる部分が多くなっておりますので、市町村との連携を密にして、地域ごとの推進状況を把握・分析し、県計画の評価をしていきたいと考えております。

県の取組体制と来年度以降の予算重点化について

山川百合子

 次世代育成支援対策推進法の行動計画は、基本的には少子化の流れを変えるための取組ですが、行動計画策定指針の内容に関する事項からも分かるように、子育ての総合的取組です。

 よって、この取組は児童虐待対策でもあり、女性及び男性の雇用問題でもあり、次世代を担う青少年の健全育成でもあり、また地域社会の再生の取組でもあると言えると思います。

 そこで、この次世代育成支援対策を県として取り組む重要課題として、全庁挙げての一大プロジェクト化し、組織体制においては、すべての課に行動計画推進担当を置いて庁内の連携を図る必要があると思いますが、知事の御所見をお伺いします。

 また、行動計画を推進し、埼玉県を日本一子育てしやすい県にしていくためにも、予算の重点化が不可欠です。
 行動計画の推進に向けてどのように予算の重点配分を行っていくか、併せて知事にお伺いをいたします。

上田清司 知事

 一点目の組織体制の整備についてでありますが、我が国において、間違いなく子供を産み育てにくい社会というのが現実になっているということを、まず認識する必要があるというふうに私も思います。
 子供が健康に育つ社会、子供を産み育てることに喜びを感じることができる社会へ転換していくことが、日本において極めて重要な課題になっているという認識について、誠に同感でございます。
 少子化に歯止めをかけるために、福祉の分野だけではなくて、教育、住宅、労働とか、幅広い分野で連携して問題解決に努めなければならないと思います。

 そういう意味で、本年度も計画策定に当たり、三十七の関係課室が連携して全庁的な体制を組織しております。
 プロジェクト並みにという御指摘もございました。
 来年度以降についても、この三十七の関係課室がもっと連携できるような推進体制というものを組織して、全庁一丸となって取り組んでいきたいというふうに思います。

 次に、予算の重点配分の問題でございます。
 子育て支援対策については、今年度予算で待機児童対策については四七パーセント増という形で重点的な配分を行ってきたつもりでございます。
 今後も引き続き、子育て支援をはじめとする総合的な次世代育成支援対策には重点的に取り組んでいきたいと考えております。

一般事業主と特定事業主の行動計画について

山川百合子

 一般事業主の行動計画は、301人以上の企業にその策定が義務付けられています。

 しかし、埼玉県内の企業は99パーセントが300人以下の企業ですので、社会全体の流れを子育てしやすいように変えていくためには、中小企業の取組が非常に重要になってきます。

 そこで伺います。
 行動計画の策定が義務付けられていない300人以下の企業について、何パーセントが策定に向けた準備をしていますか。

 また、三百人以下の企業が行動計画を策定し、積極的に子育てしやすい職場づくりに取り組んだ場合、埼玉県でも子育てしやすい企業として積極的に紹介するなど、企業にとってインセンティブとなるような取組をしてはどうかと思います。
 労働商工部長にお伺いいたします。

 最後に、特定事業主すなわち県機関が対象となる行動計画について伺います。

 子育てしやすい社会を築いていくためには、行政自らが次世代育成に真剣に取り組むことが必要です。
 県知事部局では、職員925人を対象にアンケート調査を実施し、それを基に行動計画を策定すると聞いています。
 是非、県機関の行動計画においても、できるだけ目標設定をし、目標の達成状況を常に検証していただきたいと思います。
 埼玉県の特定事業主としての行動計画にはどのような目標設定を考えておられるか、まずお伺いいたします。

 そして、県庁職員も子育てしやすい社会をつくっていくという意気込みを持って、自らの働き方や地域社会へのかかわりも見直していただければと思います。
 職員が総合的な子育て支援に積極的にかかわっているかなどの指標を取り入れて、子育てを頑張っている職員が多くいる課や部を庁内でPRしていく試みをしてみるのはいかがでしょうか。
 総合政策部長にお伺いいたします。

馬場竹次郎 労働商工部長

 現在、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画の届出が開始されます来年4月1日に向け、中小企業に対し、様々な機会をとらえ法の周知や計画の策定などの働き掛けを行っているところでございまして、御質問の、どの程度の中小企業が計画策定の準備をしているかについては把握していない状況でございます。

 次に、子育てしやすい企業の紹介など、企業にとってインセンティブとなる取組についてでございますが、国におきましては、行動計画を策定し届け出た企業が計画内容を達成した場合、優良企業として認定することとなっております。
 県といたしましては、できる限り多くの中小企業が次世代育成対策に積極的に取り組んでいただけるよう、企業の実情に応じた自主的な取組も幅広く評価し、インセンティブとなるような独自の仕組みにつきまして、埼玉労働局や経営者団体などとともに検討してまいります。

中村一巖 総合政策部長

 特定事業主行動計画にどのような目標設定を考えているのかでございますが、本県が事業主として策定する行動計画につきましては、次世代育成支援対策を民間に率先して積極的に進める上で、真に実効性のあるものでなければならないと考えております。

 したがいまして、行動計画の策定に当たっては、達成状況が客観的に明らかになるよう、例えば子供の出生時の特別休暇や育児休業の取得率など目標を数値化してまいりたいと思います。

 また、子育てを頑張っている職員が多くいる課や部のPRについてでございますが、育児休業の取得率のアップや時間外勤務縮減の取組など、子育て支援対策を着実に進めていく上で、職員の意識改革や庁内全体の機運を高めていくことが大切であると考えております。
 今後、目標設定や庁内のPRなど、御提案の趣旨を踏まえ、次世代育成支援のための行動計画を作成してまいります。

障害のある県民の雇用促進のための施策について

企業の雇用率全国ワースト2位からの脱却に向けて

山川百合子

 障害のある方々が誇りと自信を持って社会参加をし、経済的な自立と社会参加を目指していくためには、より多くの就労の機会が開かれることが重要です。

 国は、障害のある方の就労促進に向け、一般民間企業、特殊法人、国、地方公共団体の機関それぞれについて、雇用している労働者中に占める障害者の割合を一定率以上とする法定雇用率を設けています。

 それによれば、一般民間企業の法定雇用率は1.8パーセントですが、埼玉県は平成15年度は1.38パーセントで、法定雇用率に達していないばかりでなく、全国46位、すなわちワースト2位です。

 このことは、埼玉県では障害を持った方々が仕事に就くことが困難であることを示しています。

 ワースト二位を脱却し、障害があってもここで暮らしていきたいと思える埼玉県にするために、是非継続的な就労に結び付く支援に力を入れていただきたいと思います。

 お隣千葉県では、雇用率ではワースト6位ですが、障害者の雇用促進を図るために、障害者就業支援キャリアセンターの開設、特例子会社設置促進事業の開始、そして予算をつけずにホームページ上で障害者就労モデル協力企業を募集するなど、取組の強化に努めています。

 私は、障害のある方の就労促進に当たっては、雇用機会を広げるとともに、雇用する企業をサポートすることも大切であると思っています。
 企業をサポートする方法の1つは、障害のある方々の生活支援を行うことです。
 また、企業では雇用体制を整えていくためのノウハウが必要だと思います。

 そこで、2点伺います。
 県内の生活支援センターと就労支援センターの充実については、彩の国障害者プラン21でもその重要性が述べられ、19年度末までに達成しなければならない目標値が設定されています。
 しかし、今年度の整備予定が達成されたとしても、それぞれ進ちょく率は49.2パーセント及び42.1パーセントです。

 2年目を終えて、なお進ちょく率が5割を割っている状況では、19年度末までに目標を達成することは厳しくなってくると思います。
 進ちょく状況が芳しくない理由と今後の取組について、それぞれ健康福祉部長と労働商工部長に伺います。

 企業へのノウハウの伝授については、障害者の雇用体制が整っている企業の経験や情報の共有化、また企業と障害を持った方々や関係者、団体の方々との交流の場が必要だと思います。
 具体策としてどう取り組んでいかれるか、労働商工部長にお伺いします。

伊能睿 健康福祉部長

 生活支援センターの進ちょく状況が芳しくない理由でございます。
 生活支援センターは、彩の国障害者プラン21におきまして、身体障害者、知的障害者、精神障害者の3つの障害別に、平成19年度までに県内にそれぞれ40か所、合わせて120か所の整備を目標としております。
 しかし、平成15年度から身体障害者と知的障害者を対象とする生活支援センターについては国庫補助制度が廃止されたこと、また、精神障害者を対象とする生活支援センターについては国庫補助金の確保が困難になったことなどが影響して、進ちょく率が低迷しております。

 次に、今後の取組についてでございますが、今年度から一部の生活支援センターに、新たに県単独事業として小規模型生活支援センターを導入したところであり、こうした方式も活用しながら、目標の達成に向けて努力してまいります。

馬場竹次郎 労働商工部長

 就労支援センター設置についての進ちょく状況が芳しくない理由と今後の取組についてでございますが、彩の国障害者プラン21では、平成19年度末の整備目標が19か所となっており、現在は八か所に設置されております。
 他の重点実施施策の数値目標と比較し、進ちょく状況がやや遅れているのは、市町村の障害者雇用対策に対するノウハウの不足などがあると考えております。

 県では、従来から直接市町村を訪問してセンターの有用性などを説明し、設立の働き掛けを行っておりまして、今年度新たに3か所のセンターが設置されたところであります。
 来年度以降も複数の市町村が設置の意向を示しており、今後もノウハウなどの情報提供も含め積極的に働き掛けを行ってまいります。

 次に、企業における障害者雇用の経験や情報の共有化、企業と障害を持つ方などとの交流の場についてでございますが、まず、経験や情報の共有化につきましては、県では埼玉労働局などとともに、企業などを対象に障害者雇用促進セミナーを開催しており、これらの機会を通じて障害者の雇用事例の紹介を行うなど、経験や情報の共有化を図ってまいります。

 また、交流の場につきましては、各障害者就労支援センターと関係行政機関などとのネットワークづくりに取り組むこととしており、その中で交流の場についても研究してまいります。

教育委員会での雇用促進について

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山川百合子

 地方公共団体の法定雇用率は2.1パーセントですが、その中で教育委員会については2.0パーセントに定められています。

 しかし、埼玉県ではその2.0パーセントにも遠く及ばず、1.0パーセントです。
 埼玉県では児童生徒の支援籍導入が検討され、障害のある子供とない子供が一緒に学ぶ取組がなされているわけですが、是非教育現場においても障害のある方々の雇用を促進していただきたいと思います。

 そこで、教職員を含む教育委員会での雇用率が極めて低い現状について、その理由と今後積極的な雇用促進に努めていかれるかどうかについて、教育長にお伺いをいたします。
 また、教育現場での雇用促進の具体策についても併せて伺います。

稲葉喜徳 教育長

 県教育委員会における障害のある方の雇用状況は、教育局職員、学校事務職員及び県立盲・ろう・養護学校の教員につきましては法定雇用率を上回っておりますが、小中高等学校の教員につきましては法定雇用率を下回っている実態がございます。

 こうした状況を踏まえ、これまで障害のある方の教員採用試験の出願に際しましては、本人からの申出を受け、手話通訳や点字受験、受験時間の延長など受験上の配慮をしてまいりました。
 しかしながら、過去五年間の受験状況を見ますと、小学校では3名、中学校では9名、高校では10名でございまして、教員採用試験において障害のある方の受験が極めて少ない状況であり、その結果、雇用率が低い現状となっております。
 今後におきましては、雇用の促進に向け、受験上の配慮事項を具体的に受験案内に明記するとともに、募集説明会や今年度新たに始めた大学との連絡協議会などでPRに努め、障害のある方が受験しやすい条件整備に取り組んでまいります。

 また、教育現場において、障害のある方が教員として日々子供たちと触れ合うことは、交流教育を推進する上においても意義あることと存じますので、市町村教育長研究協議会や校長研究協議会などにおいて、その意義の啓発、普及に努め、雇用促進の土壌づくりに努めてまいります。
 なお、本県の小中高等学校に現に勤務している障害のある教職員からも意見を聞いておりますので、こうした声を反映させながら、教育現場における雇用を促進するための具体的な方策を検討してまいりたいと存じます。

雇用促進に向けた体験的雇用について

山川百合子

 企業での障害者の就労を促進する施策を担当しているのは雇用対策課です。
 しかし、雇用対策課には障害のある職員がいらっしゃらないと伺っています。
 県の職員配置は人事課の業務ということは承知していますが、企業への就労を促し、企業努力を求める担当課で障害のある方々の雇用の場がつくり出されていないのであれば、企業を啓蒙する立場からも再考が必要と考えます。

 お隣千葉県では、今年4月より嘱託職員として雇用労働課に知的障害のある方が2人雇用されています。
 2名の職員がサポート担当し、最初の1週間はジョブコーチがつきました。
 最初は、周りの職員の方々にも戸惑いがあったということですが、今では職場になじみ、お2人とも仕事をこなしておられるとのことです。
 先日、職場を訪問させていただきましたときにも、その様子がうかがえました。
 仕事の内容は様々ですが、県が行ったアンケート調査の回答のデータ入力もされていました。

 私は、このような取組は非常に重要と考えています。
 地道であるけれども、企業での雇用を促進する県の職員が自ら経験を通じて学ぶことで、障害のある方々と一緒に働く環境をつくっていく中での課題がよく見えてくるのではないかと思います。
 一緒に働く環境整備は、何も施設などのハードだけでなく、職場の意識改革を必要とします。

 是非、雇用対策課では、企業での雇用促進への本気の姿勢を示すためにも、知的障害者等の、現状では一般的就労がより困難な障害者の方々に積極的に働く場を提供し、一緒に働く環境づくりと雇用促進に努めていただきたいと思います。
 労働商工部長の御見解をお伺いしたいと思います。

馬場竹次郎 労働商工部長

 県では昨年度試行的に、雇用対策課など3つの課で知的障害者を含む合計3名の障害者の方の職場実習を行いましたところ、実習生からは「達成感があり、自信になった」という御意見が出されるとともに、実習受入先におきましても障害者就労の認識が深まるなど、職員の意識啓発の点からも大変意義があったと考えております。

 御質問の、雇用対策課に知的障害者などの一般的就労がより困難な障害者の方を雇用できないかということでございますが、雇用ということになりますと、障害者の方々に対し障害の状況に応じた継続的な職の確保や十分なサポート体制が重要となってまいります。
 このためには、障害の状況に応じた職を、より幅広い職の中から開拓していくことなどが必要であり、県庁全体で対応すべき課題であると考えております。

 労働商工部といたしましては、今年度も引き続き職場実習を実施していく中で、更に課題の把握に努め、関係部局とも連携し、県庁全体の意識の啓発や職の開拓などにつながるよう取り組んでまいります。

再編整備後の県立高校定時制課程における不登校経験者、中途退学者等について

山川百合子

 県教育委員会では、県立高校の特色化を課題としていますが、教育委員会が進める21世紀いきいきハイスクール推進計画で、学校不適応や中途退学の課題に対応することを県立高校の特色化の一つであるとして位置付けています。

 そこで、推進計画に位置付けられる定時制・通信制高校の再編整備の第1号となる来年度開校の戸田翔陽高校について、教育長にお伺いします。

 まず、教員の加配について伺います。

 戸田翔陽高校では単位制を特徴とし、少人数で習熟度別の授業編成、また生徒1人1人に合った個別ガイダンスや進路指導を行っていくと聞いています。

 生徒1人1人に合った学習指導と対応をしていくためには、1人の教員が担当する生徒の数は少人数であることが前提になると思います。
 そうでなければ教員の過重な負担になり、生徒と接する時間がますます少なくなることが懸念され、実際は個に応じた教科指導対応などできなくなると思います。

 先日、定時制の独立校である県立羽生高校を視察いたしましたが、生徒の6割が不登校を経験しているということでした。
 羽生高校も単位制を導入し、習熟度別の授業を行っています。
 生徒の学科ごとの力に応じた授業ができるのは、6人の教員加配が行われているからこそと伺っています。
 そこで、戸田翔陽高校についてはどのくらいの教員の加配を計画されていますか、お答えください。

 続いて、スクールカウンセラーの配置について伺います。
 私は、8月に行われた来年卒業の中学生及び保護者を対象とした戸田翔陽高校の学校説明会に参加しました。
 その際、不登校経験者の生徒も受け入れていくという説明がなされました。
 そのための受入準備として、スクールカウンセラーの配置を県教育委員会に要請しているということでした。<
 羽生高校定時制でもカウンセラーの役割は大きいと聞いています。
 今年度、高校におけるスクールカウンセラーの配置は9校だけで、配置を要請している高校は数多くあります。
 そういう状況がある中でも、県として再編後の特色ある学校、個に応じた対応をする学校として戸田翔陽高校を位置付ける以上、責任を持って配置をすべきと考えますが、スクールカウンセラーの配置についてお伺いします。

 さて、教育長は、戸田翔陽高校の開校に向けた準備が進む中、「定時制の良いところを責任を持って引き継いでいく」と事あるごとに述べられています。
 700万県民の公教育の総責任者である教育長のお言葉ですので、非常に重く受け止めています。
 様々な理由から学校に行かれなくなった子供たちなどを受け入れる場として、定時制高校がその役割を果たすようになっていることは、全国的に見られる傾向だと思います。

 しかし、そのような役割を果たしている定時制が統廃合されていくということで、行き場がなくなることに大きな不安を覚えている生徒、保護者が大勢います。
 是非教育長は、その言葉どおり責任を持って、現在統合対象となっている3校の定時制の良いところを新校に引き継ぎ、その後の経過を検証していっていただきたいと思います。
 そこで、まず教育長は、それぞれの学校の良いところはどこにあると認識されていますか。
 できるだけ具体的にお答えください。

 教育委員会では、先ごろ「それぞれの学校の良いところを引き継ぐために」という説明で、3校の定時制課程から引き継ぐ教育活動検討委員会を設置しました。
 そこで、次にこの検討委員会について伺います。
 まず、この委員会の役割、位置付けについて、戸田翔陽高校の準備委員会との関係を含めて伺います。

 次に、この委員会の日程は現在四回を予定しているようですが、各校のそれぞれの関係者から意見を聞き、十分議論をしていくためには少な過ぎると考えます。
 また、関係者から一方的に話を聞くだけでなく、質疑応答の時間を十分にとり、議論を深めていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 そして、どのような形で検討委員会の結果がまとめられ、そしてその検討結果をどう扱うのでしょうか。
 引き継ぐところはどこで、それをどう具体化するのか、引き継げないところはどこで、それはなぜかなどは、どのように説明されていかれるのでしょうか。
 検討委員会の第2回、3回は非公開と伺っており、委員会で検討されている様子を直接伺うことができないことからも、是非、以上の点について分かりやすくお答えください。

 最後に、戸田翔陽高校に3校のそれぞれの良いところが引き継げたかどうかをどう検証し、そして必要に応じた対応をしていくのかについて伺います。
 良いところを引き継ぐと一言で言っても、その良いところというのは、制度やシステムのように形として引き継げるものばかりではないはずです。
 むしろ形では引き継げないもの、そこに関係する人たちがつくり上げるものの方が多いのではないかとも思います。

 統合される予定の3校の特徴や良いところは、新校で確実に引き継がれ実践されているのかを、いつごろどのように検証されるのでしょうか。
 以上につきまして、教育長より明快な御答弁をお願いします。

稲葉喜徳 教育長

 教員の加配についてでございますが、戸田翔陽高校では、少人数授業や習熟度別授業などにより、学習活動の充実を図るため、完成年度には九名の教員加配を予定しております。
 また、スクールカウンセラーの配置につきましては国庫補助事業でありますことから、国の動向を見極める必要がありますが、戸田翔陽高校への配置に当たりましては、生徒や学校の実態等を踏まえ積極的に対応してまいります。

 次に、それぞれの学校の良いところはどこにあると認識しているかについてでございますが、現在の定時制課程は、入学者の減少する中で中途退学者や不登校経験者の割合が増加しておりまして、少人数学級の下で多様な生徒に対するきめ細かな教育活動が展開されております。

 その結果、3校の定時制課程におきましては、教職員との信頼関係に基づく家族的な学校生活、柔軟な学習指導や生活指導、学校行事等への主体的な参加などが良いところとしてクローズアップされていると認識しております。

 次に、委員会の役割と位置付けについてでございますが、この委員会は、統合する3校の定時制課程の良い面を戸田翔陽高校に引き継ぐために設置したものでございます。
 今後の、委員会での検討結果を踏まえ、開設準備組織におきまして、3校の良い面を引き継ぐための具体的な検討を進めてまいります。

 次に、委員会の日程などにつきましては、第1回目の会議におきまして、会議を4回行う旨の決定をしており、その日程も定まっておりますので、当面はそのスケジュールに従い、その中でそれぞれの関係者の方々が十分に意見を表明できるよう時間配分を決めてまいります。
 また、意見表明後は、それぞれの委員からの質疑の時間を設ける予定でございます。

 次に、委員会の検討結果につきましては、11月末を目途に取りまとめ、これを公表するとともに、関係者に対し説明する予定でございます。
 この中で引き継げない部分がある場合は、その理由等を明らかにさせていただきます。
 また、この良い面の具体化につきましては、先ほどの開設準備組織において引き継ぎ、来年の四月からは戸田翔陽高校の教育活動等に生かしてまいります。

 次に、どのように検証し、必要に応じた対応をするのかについてでございますが、山川議員お話しのとおり、学校の良さは、長年にわたる関係者のたゆみない努力から生まれてくるものであり、これで完成するということはなく、常に検証していく必要がございます。
 新しい戸田翔陽高校が地域に開かれた学校づくりを進める中で、様々な意見に常に耳を傾け、校長をはじめとする教職員や生徒、学校関係者が一体となって魅力ある学校づくりを進めることが大切であると考えております。
 そうした教育活動が新しい学校で十分展開できるよう、万全の支援をしてまいります。

【再質問】山川百合子

 再編整備後の県立高校定時制課程における不登校経験者、中途退学者等について教育長にお伺いした点、2点について再質問をさせていただきます。

 1つは、良いところを引き継いでいく検討委員会ということで、こちらの会議は4回ということで第1回目のときに委員会の皆様で決定されたということで、委員会の決定は尊重しなければならないと思います。
 ただ、私は、良いところはどこか、それをどうやって引き継いでいけるのかということをちゃんと現場を見て、それぞれの高校に行って、またいろんな本も出ているわけで、ビデオなんかも出ているわけで、そういうところにも委員の方に行っていただいて、そういうことをした上で、本当にどうやって引き継いでいけるのか、良いところはどこなのかということを検討していっていただきたいと思うんですね。
 そうしますと、4回というのは非常に限られた時間ですので、是非委員会の皆様に、本当に十分な時間をかけて議論をしていっていただきたいと思いますが、そのように働き掛けていただけるか、教育長にお伺いをしたいと思います。

 それからもう1点なんですけれども、それぞれの学校の良いところについて教育長はどう認識をされているかということをお伺いしたわけですけれども、少人数学級できめ細やかな対応をしているですとか、柔軟な対応、それから生徒の主体的なかかわりというようなことをおっしゃられたと思うんですが、私も本当にその点はそうだと思います。

 ただ、これは非常に重要な問題なので、もう少し細かくというか、具体的なところを見ていきますと、私は、これまで3校を全部見てくる時間的なものはなかったんですが、特に浦商、問題となっておりますので、浦商の関係者の方にお話を伺ったり、自分のできる範囲で一所懸命やってまいりましたけれども、その中で、やはり良いところ、本当にたくさんあると思うんですが、その一つは、先ほど言われたように主体的にかかわっていくこと、それと同時に、先生と生徒が一緒につくっていくことにあると思うんですね。

 それともう1つ大事なことは、すべてのことをそのままで受け入れる、すべての生徒をそのままで受け入れる、そのことが出発点になっていると思うんです。
 例えば、本当に1例なんですけれども、この浦商の関係者が出された本の中に、鑑別所に入っていた子供もこの学校で受け入れてもらって、立派に更生して、社会に出て社会に貢献していると。
 そのような子供が1人だけではないと。
 そのような子供の受入れ場になって、また社会に出していく場になっているということです。
 戸田翔陽高校でも本当に特色のある学校ということで準備をされていると思うんですけれども、是非そういったことも引き継げるのかどうか、それが良いことに含まれるのかどうか。
 なかなか難しい問題だと思うんですが、教育長は、そういったことも含まれるのかどうか、柔軟な対応、主体的な参加ということにそのことが含まれるのかどうか、ちょっとお伺いをしたいと思います。

稲葉喜徳 教育長

 2つございまして、1つは、3つの定時制の良いところを、現在検討委員会で四回開催する中で引き継ぐことを話し合うということだが、その際には実態をよく承知した上で時間をかけてやるべきではないかというお話でございました。
 そのお話のとおり、検討委員会は、目的が3つの定時制の良いところを引き継ぐということでございますので、必要な実態についてはよく承知した上で御検討いただきたいというふうに思っております。
 このことにつきましては、三つの定時制課程から引き継ぐ教育活動等検討委員会の委員長をお願いしております元与野市長の井原氏にお伝えをさせていただきたいと存じます。

 2点目は、その良いところの中の範ちゅうとして、私が申し上げた以外に、すべてのことをそのままで受け入れるということがあるのではないかということでございますが、そういったことにつきましても、御意見があったということを検討委員会の委員長にお伝えするとともに、幅広く良いところについての御検討をいただきたいということを申し上げさせていただきたいと存じます。

薬害C型肝炎に対する県としての積極的対応について

山川百合子

 薬害エイズ問題は、命を守るはずの行政が命を奪うことに結果として加担してしまった事件ですが、第2の薬害エイズ、薬害HIVとして問題化するとも言われているのが、薬害C型肝炎です。

 日本では、年間約3万人が肝がんで死亡しています。
 うち、9割が肝炎ウイルスによるもので、そのうち9割がC型肝炎ウイルスによるものと言われています。
 C型肝炎感染者は150万人から300万人いると推測されているわけですが、肝炎は特徴的な自覚症状に乏しく、多くの場合、肝硬変が中期を過ぎた段階で分かるそうです。
 そして、肝硬変になると根本的に治癒することはほとんどないそうです。
 よって、早期発見、早期治療が必要になります。

 C型肝炎の感染は、主に輸血や血液製剤の投与をはじめとする医療行為によって広がりますが、この感染の広がりの原因の一つとなったのが、フィブリノゲン製剤の使用でした。
 フィブリノゲン製剤は29万人の患者に投与され、そのうちフィブリノゲン製剤によると思われる肝炎発生者は約1万人に上ると推定されるという報告もあります。
 それにもかかわらず、自らの感染に気付いていない方が多くいることが懸念されています。
 この製剤は、先天性低フィブリノゲン血症患者だけでなく、出産時の出血を中心に止血剤としても使われてきましたが、過去に医療機関にかかった際にこの製剤を使用されたことさえ知らない方が多くいるはずなのです。
 早期発見、早期治療のためにも、県民がC型肝炎感染についての関心、知識を持ち、自ら検査を受けることが求められます。

 そのためにも、過去にフィブリノゲン製剤を使用したことのある医療機関が、使用した期間とどのような治療の際に用いていたかを公表し、その時期にその病院で治療を受けた患者たちに検査の必要性を訴えていかなければならないと思います。
 既に、使用について自主公表をしている公立・市立病院があります。
 埼玉県でも県立病院をはじめとする公立病院がその使用実績を把握し、率先して自主公表していくとともに、県内の病院にも自主公表を働き掛けていく必要があるのではないでしょうか。

 フィブリノゲン製剤を納入した医療機関のリストは国が持っていて、自治体では、県内のどの医療機関で使われたかは把握できていないということですが、少なくとも自治体としては、命を守る医療機関が自主公表をし、広く患者に危険性と検診の必要性を伝えるよう積極的に呼び掛けることが必要と思われますが、知事の御見解をお伺いします。

 また、今年の十二月には国が納入医療機関のリストを発表するとしています。
 保健所や市町村、そして県に問い合わせが殺到することが予想されるわけですが、埼玉県としてはどのような相談体制、検査・治療体制を整備していかれるのか。
 今年五月の国の発表の見送り後の取組状況も含めて、健康福祉部長にお伺いをします。

上田清司 知事

 フィブリノゲン製剤の納入先医療機関の公表につきましては、厚生労働省におきまして、今年の7月に「フィブリノゲン製剤納入先公表チーム」を設置いたしました。
 そして、今年12月中に全医療機関を一斉に公表するための準備作業を行っていると聞いております。
 今回の公表に当たりまして、北海道から沖縄まで7000を超える医療機関が該当していると言われております。
 したがって、全国統一的な相談や検査の体制を十分に整備の上、一斉に公表することの方が混乱を未然に防止し、より効果が上がるのではないかというふうに思っております。

 埼玉県は国に対して、医療機関の公表については、詳細な情報の提供と患者相談窓口の設置、検査や治療など総合的な対応策を示すように強く要望しております。
 現在、国や医療機関との連携を図りながら、12月の公表に向け、県民に不安や混乱がないよう健康福祉部に万全の対策をとるように指示しております。

伊能睿 健康福祉部長

 C型肝炎に感染するおそれのあるフィブリノゲン製剤の納入先医療機関の公表に当たりましては、御指摘のとおり、県民の皆様から多数の問い合わせがあることが予想されます。
 県といたしましては、国や納入先医療機関と協力して、必要な対策を講じてまいります。

 まず、相談体制の整備につきましては、納入先の医療機関に対して患者相談窓口の設置を要請するとともに、保健所にも相談窓口を設けて、必要な情報を提供してまいります。
 また、肝炎検査につきましては、厚生労働省が平成14年度から始めたC型肝炎等緊急総合対策に基づき、保健所や市町村等で実施している肝炎ウイルスの検査のほか、一般の医療機関でも検査を受けることができることを周知いたします。
 さらに、検査の結果C型肝炎に感染していることが明らかになった場合には、早期治療を促すために、医療機関への受診を強く勧めることになります。
 この間、国に対して、今年7月に総合的な対応策を早期に示すよう県から強く要望を行ったところでございます。

 県といたしましては、相談者それぞれの状況に応じたきめ細かい対応ができますよう、万全の準備をしてまいります。

行財政改革について

事務事業総点検と政策評価について

山川百合子

 今日、行政による公共サービスは、どれだけの事業を行ったか、何をしたかにとどまらず、行政が提供するサービスが人々にとってどのくらい意味を持っているか、どれだけの効果をもたらしたかなど、成果を重視する行政への転換が求められています。

 特に県民のニーズが多様化し、一方では厳しい財政状況が続く中で、多様なニーズに質の高いサービスでこたえるためには、適正な予算配分と効率的な事業運営が求められています。

 ただ、効率を求める余り、短期間で成果が表われないもの、数値で評価できない成果を軽視してしまうことがないよう、十分留意しなければなりません。
 行財政改革に当たっては、大胆かつ丁寧・慎重な姿勢で将来を見据えて取り組む必要があると思います。

 さて、埼玉県では平成12年度に、客観性及び信頼性を確保するとともに制度の充実を図るために政策評価委員会を設置し、評価制度の充実を図りました。
 また、上田知事は新生埼玉行動計画において、政策評価制度の改善を掲げられ、全事務事業の総点検をされ、その結果が9月15日に発表されました。
 そこで、以下総合政策部長に伺います。

 1、これまでの政策評価の基となる事業評価のどこに問題点があり、今回の事務事業総点検によって、これまで明らかでなかった何が明確になりましたか。

 平成14年度の施策評価シートの問題点にも言及しながらお答えください。

 2、総点検の結果を来年度の予算編成や組織改革に反映させていくということですが、具体的にどのようなステップで行っていく予定ですか。

 3、総点検の結果、約4割の事業が本来県が担わなくてよい事業と判断されたということですが、この結果については県庁内で同意が得られたものでしょうか。

 結果に対して異議のある担当課もあると推測しますが、今後それらの意見を聞き、議論はしていかれないのでしょうか。

 4、4割もの事業が本来県が行わなくてもいい事業という結果が出たと聞きますと、どのような基準で判断され、どういった事業がその4割に相当するのか、大変関心があります。

 もしこの結果が既に庁内の同意が得られたものであるのであれば、総点検表のすべてを公開していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

中村一巖 総合政策部長

 これまでの事務事業評価のどこに問題があり、今回の全事務事業の総点検によって何が明確になったのかでございますが、本県では、平成十四年度に彩の国5か年計画21に掲げた政策指標を活用した新たな政策評価制度を試行的に導入し、平成十五年度から本格的に実施いたしました。

 これまでの政策評価は、担当部局による一次的な評価となっていたこと、また政策指標が40に限られ、それに連なる196の施策との関連が必ずしも十分でないことなどから、評価が主観的になりやすく、評価と予算、組織編成との連携が十分でないといった問題がございました。
 そのため、今年度実施した評価においては、196の各施策に指標を設定するとともに、すべての事務事業についてゼロベースから見直した上で、財政担当課、改革政策局、他部局職員も参加する、いわゆる二次評価を実施して、客観性の向上と予算・組織編成の連携を図れるようにしたところでございます。

 このような中、対象となった2003事業のうち、約4割の事業については県が実施する必要のない事業であるという整理がされました。
 ただし、これは法令や国の制度、社会経済情勢や市町村の財政状況など、これまでの経緯から離れた、いわゆるあるべき論でございまして、すべての事業を見直すことに先立って、まず物事をゼロベースで考えるという職員の意識の徹底を図るため行ったものでありまして、直ちにこのとおりになる、できるというものではございません。
 そして、あるべき論の整理に続き、全2003事業の見直しを行った結果、半数以上の1126事業について廃止を含めた見直し、事業手法、事業対象の見直しなど、今後検討すべき方向を整理いたしました。

 次に、総点検の結果を来年度の予算編成や組織改革に反映させていくとのことだが、具体的にどのようなステップで行っていくのかでございますが、1126事業で検討すべき方向が出されましたので、これを踏まえまして、担当部局において今後十分に検討し予算要求等を行うよう要請いたしました。
 予算編成、組織編成の過程で更に検討を加えていく予定であります。

 次に、約4割の事業が県が行わなくてもよいとされたが、県庁内で同意が得られているのか、異議のある担当課とは今後議論していかないのか、及び、この結果が既に庁内の同意が得られたものであれば、総点検表のすべてを公開していただきたいがいかがか、でございますが、県が行うべき事業かどうかのあるべき論としての仕分けは、住民に身近な事業や地域の実情に合った対応が必要な事業は基礎的自治体である市町村へ、民間に任せた方がよいものは民間に、直轄事業負担金のように本来国が行うべき仕事は国にといった基準で方向性を整理したものでございます。

 約4割の事業は県が行わなくてもよいという結果は、このいわゆるあるべき論から職員がフリーな立場で議論した段階のものでございまして、まだ県全体で最終的にオーソライズしたものではございません。
 今後、国、県、市町村の役割分担の中で、広域的な自治体としての県が真に行うべき事業は何なのかという観点から、更に議論を深めてまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと存じます。

「埼玉県の経営を考える若手職員チーム」による提言について

山川百合子

 昨年11月、埼玉県の経営を考える若手職員チームが結成され、先月末、各チームの最終報告がまとめられました。
 それぞれの報告書を拝見すると、提言内容は幅広く、またかなり具体的なものが数多く見られ、重要な指摘となると思います。
 この最終報告は、知事への直接提言とされているわけですが、知事はこれらの提言一つ一つについてどのように臨まれるおつもりですか、お伺いします。

 また、それぞれの提言について、是非取り組むべきこと、更なる検討や調整が必要なことなど様々かと思いますが、それぞれの提言の次のステップ(採用、実施、検討など)はどのようにとっていかれるのか、総合政策部長にお伺いをします。

上田清司 知事

 埼玉県の経営を考える若手職員チームは昨年の11月につくられまして、改革に意欲のある職員40人が、10人ずつ4チームに分かれてそれぞれ活発な議論をして、九か月間議論をした上で、8月30日に最終報告を各チームから出していただきまして、それぞれの四チームのチームリーダーから御報告をいただいて、40人そのものがまた共通の認識を持ったりすることができるような仕組みでプレゼンテーションをしていただきました。

 提言の数も73項目に及びまして、非常にユニークな御提案もありました。
 県庁を埼玉高速鉄道の駅ビルにして移転したらどうだとか、知事公館を売却しろとか、あるいは吉田弘議員が言われましたように、三菱金属マテリアルの方に県庁を移したらどうだとか、そういう試算まで出ました。

 また、県庁内の案内表示の総点検と統一化など順次取り組めそうな提言や、コストダウンや収入アップの新生「Oh!役所」宣言など、県庁を優れた経営体にするための極めて基本的な提言もございました。
 本当にバラエティーに富んだ意見を率直に言っていただき、なかなかやるなと、そういう思いを強くしたところであります。
 参加した職員についても、意識改革に大きな影響を与えたのではないかなというふうに思っております。

 最終報告については、直ちに全部局に周知いたしまして、個々の提言については、関係部局に、実現可能性のあるものから検討してほしいということを指示しております。
 もう実は既に取組を実施しているものもございます。
 しかし、困難なものもあるというふうにも思っております。
 今後、関係部局でこの提言について、できるだけ議論を進めて、一つでも多くの提言を取り入れたいというふうに思っていますし、何よりも私は、その席でも申し上げましたが、参加した職員の皆さんも自らの上司や同僚を口説き、それを実現するために努力することが必要だということも申し上げました。
 そういう共通の認識を高めていくことが、更に県政の改革につながるものだと思っております。

中村一巖 総合政策部長

 埼玉県の経営を考える若手職員チームは、公募により集まった主幹級以下の20歳代から40歳代までの職員が4チームに分かれ、約九か月間にわたって大変熱心な議論を重ねてきたところでございます。

 去る8月30日は、チームから知事に対し73項目からなる最終報告書が提出されました。
 提言は様々な分野にわたっており、しかも若い職員ならではの柔軟でユニークなものも多く、知事の哲学であります、県庁を優れた経営体や一番のサービス産業にするための貴重なものもございました。
 そこで、直ちにその内容を関係部局に周知するとともに、現在、個々の提言の実現可能性について関係部局が検討を進めております。
 個々の提言を、既に取組を実施しているもの、実現可能なもの、幾つかの課題があるもの、実施に相当な困難が伴うものなどに仕分けし、今月末までに報告をしていただくこととなっております。

 今後は、こうした関係各部局の検討結果を取りまとめ、これをたたき台として10月末までに庁内で更なる検討を進め、できるだけ多くの提言が実現されるよう努めてまいりたいと思います。
 実施すべきと判断した提言につきましては、スケジュールを定め、順次実施に移してまいります。

原爆症認定申請書の放置に関連して

山川百合子

 今月10日、原爆症認定申請書25件が放置されていたということが明らかになりました。
 私は、この原爆症認定申請書の放置について報道で知ったとき、非常に驚き、県庁においてこのような書類の放置が、一時的ではなく3年以上の長期にわたって行われていたということが、にわかには信じられませんでした。

 県として謝罪をし、書類の管理を徹底し、再発防止に努めるとしているものの、原爆により身体と心に深い傷を負って生きてこられた方々の、国の救済を求める最後の綱とも言える申請の書類が、長期間にわたって放置されていたという事実は、県行政機関全体に対する県民の信頼を揺るがしかねない出来事と考えます。

 そこで、県の組織体制について知事に伺います。
 行政の組織体制においては、文書管理、業務遂行における報告、連絡、相談の徹底、何層にも及ぶチェック体制等は、これまでの県の組織体制を支えてきた基本だと思いますが、今回のような不手際が起こってしまった背景には、県の組織体制のどこに問題があるとお考えでしょうか。

 また、原爆症認定申請を担当していた課内でチェック体制が機能していなかった原因はどこにあるのでしょうか。
 健康福祉部長にお伺いをします。

 最後に、事務処理の遅れによって、認定されたことを知らずにお亡くなりになった方々、認定の結果を待たずにお亡くなりになられた方々、今も認定結果を待ち続けるという苦痛を受けていらっしゃる方々に心からのおわびをし、そして今、国で審査中の件については、審査結果が一日でも早く出るよう国に働き掛けていただきたいと思います。
 健康福祉部長にお伺いをします。

上田清司 知事

 原爆被害者の援護事務に当たって、不適切な事務処理により大幅に処理が遅延したという案件については、本当に遺憾に思いますし、残念至極であります。
 申請者、御家族はじめ、関係の皆様に多大な御迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げたいと思います。
 また、県民の負託を受けた全体の奉仕者である県職員が県民の信頼を裏切ることになり、誠に申し訳ない、こういう思いでございます。

 今回の事例では、不適切な事務処理をした職員の責任はもちろん、議員御指摘のとおり、業務遂行における報告、連絡、相談の徹底が十分になされていなかったことや、チェック体制が機能していなかったために発生した極めて残念なケースと認識しております。
 このようなことが絶対あってはならない。
 むしろ、こうした書類の整理、あるいは情報の管理というのは、県の職員の最も得意とするところではないかというような、そういう思いを私自身持っておりますが、現実に起こっているという事実について、私自身も大変憤りを持っております。

 早速、今回の反省を踏まえ、複数の管理職員が責任を持って確認するという基本に立ち返って、すべての職員に事務処理ルールを徹底させるように指示をしたところであります。

 また、原爆援護事務全般について総点検を命じております。<
 その結果については、調査が終わり次第すべてを公表して、二度とこのようなことが起こらないように努めてまいりたいと思います。

伊能睿 健康福祉部長

 このたびは、原爆症認定申請書の放置に関しまして、申請者と御家族の方々に多大の御迷惑をおかけいたしました。
 県民の皆様方の県政に対する信頼を損ねる結果となりましたことにつきまして、議員の皆様をはじめ県民の皆様に深くおわびを申し上げます。
 大変申し訳ございませんでした。

 チェック体制が機能していなかった原因についてでございますが、原爆症認定申請を担当していた課内で、議員御指摘のような、申請者の1日1日を待ち続ける切実な思いへの理解と、この事務に対する重要性の認識が十分でなかったことが背景にあると考えております。
 また、国や申請者との連絡をもっときめ細かく行う必要があったと反省をいたしております。
 今回御迷惑をおかけした申請者と御家族の方々に対しまして個々に御説明申し上げ、深くおわびするとともに、国の原爆症認定審査が迅速に行われますよう、全力を挙げてまいりたいと考えております。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、正式な会議録とは若干異なります。