埼玉県議会議員 山川百合子

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平成17年9月定例会 一般質問

県のアスベスト対策について

アスベスト対策条例の制定について

山川百合子

 アスベストの人体への危険性を警告する論文がイギリスで発表されたのは百年以上も前の1898年だそうです。欧米諸外国ではアスベストの危険性についてより早い段階から警鐘が鳴らされ、対策や厳しい規制がかけられています。現在、政府では法改正の検討を含めて対策を検討していますが、これまでの経緯からも住民の側に立った十分な対策がとられるのか疑問です。

 そこでまず最初に、アスベスト対策条例の制定について伺います。

 京都府、福井県、鳥取県では、九月議会にそれぞれアスベスト規制の新条例案が提案されています。3県の条例案に共通しているのは、大気汚染防止法では規制されない小規模の建築物についてもアスベストを使用したものの解体、補修を行う場合に届け出を義務づけているという点で、それぞれ罰則も設けています。

 福井県と鳥取県の条例案では、吹きつけアスベストの建築物の所有者すべてに対し、吹きつけた石綿が損傷や劣化によって飛散しないよう適正な維持管理を行うことを規定しています。

 また、福井県では、アスベストを吹きつけた建築物を台帳に登録し、災害時に県民に対して情報提供をすること、鳥取県でも学校、病院、百貨店、店舗や事務所、共同住宅などの建築物の所有者に吹きつけ石綿の飛散状況の把握と結果を公表することを規定しており、アスベスト曝露の危険性があるところについて住民に対して積極的に情報を提供しています。鳥取県の条例案の提出理由は、「石綿対策に係る国の法体系は必ずしも総合対策になっていない。また、大気汚染防止法による規制も全面的な規制とはなっていない。さらに、国の法体系は石綿の飛散防止に伴う健康被害の防止という視点が欠けている。そこで、石綿の飛散等に伴う県民の健康被害の防止という観点から国の法体系を補う本県独自の制度として」条例を定めると述べられています。是非埼玉県でも国の規制に任せるのではなく、県民の健康を守るという観点から条例を制定し、総合的な対策をとっていただきたいと思いますが、知事のお考えをお伺いいたします。

上田清司 知事

 石綿問題は1地域に限られた問題ではなく、全国的に規制や対応策を行っていくべき問題であり、国において統1的に対応すべき性質の問題であると基本的には考えております。

 現在、国において、建築物の解体の際の規制であります大気汚染防止法令や石綿含有建材について建築物への使用を禁止するなどの建築基準法の改正を検討しております。

 さらに、労働災害の補償を受けられない石綿による健康被害者を救済するための新法の制定なども検討されていると聞いております。

 しかしながら、石綿問題は、県民の安心と安全を守る大変重要な問題でもあり、県として万全を期することが大切であるという考え方をしております。

 こうした観点から、本県といたしましても、9月9日に、緊急に行うべき必要な対策として、国が現在検討している内容を先取りする対策を含めた45項目の対策をとりまとめ、鋭意実施しているところでもございます。

 例えば、大気汚染防止法の対象となっていない小規模な吹き付け石綿使用建築物の解体工事についても、労働基準監督署から、労働安全衛生法に基づく届出の情報を受けることにより現地調査を実施するなど、条例の制定と同等の効果をあげるような取り組みをおこなっております。

 山川議員のお気持ちもよくわかります。現在国で検討されている法令の改正と県条例による規制をかける内容の齟齬を避ける意味からも、今は、先に決定した石綿問題の当面の取り組みに全力を挙げることの方が重要でないかというふうに考えております。

 今後、必要があれば、当然、本県独自の条例の制定も含め、さらなる対策を検討させて頂きます。

有害化学物質に総合的に取り組む組織の整備について

山川百合子

 アスベストは、化学物質排出把握管理促進法において、事業者が排出量などの届け出を求められる「第1種指定化学物質」で、発がん性があることから、「特定第1種指定化学物質」に指定される十2物質のうちの1つです。現代社会においては日常生活の中に化学物質が使われた製品があふれています。

 化学物質は私たちの生活を便利で快適にする一方で、環境中に排出され、また体内に取り込まれることで環境、そして健康へのリスクがどんどん高まっています。アスベストも私たちの生活を快適にすることに使われた魔法の鉱物であると同時に、私たちの健康をじわじわと侵していく危険な化学物質でもあるのです。

 国連でも今月、化学物質の影響を受けやすい子供の健康被害を減らすための対策を2010年までにまとめることやアスベストの2007年までの使用全廃を目指すことなど、288項目に及ぶ包括的な計画を発表しており、化学物質対策は世界的な課題です。県民の健康と安全を守り、住民への情報提供、相談の最初の窓口である市町村自治体をバックアップする県において、化学物質に総合的に取り組む必要があると考えます。東京では既に有害化学物質対策課を設置し、環境と保健の両面から都民に直結した対策を行っているようです。

 是非本県においてもアスベスト問題を契機に有害化学物質を専門に担当する対策課を設置すべきと考えます。知事のお考えをお伺いいたします。

上田清司 知事

 アスベストを含む化学物質問題は、住宅の室内環境、食品添加物、事業活動等に伴う化学物質の排出など、保健、環境、建築など様々な分野にわたり、それぞれ個別法に基づいて規制をされております。

 したがって、県としては、「石綿対策推進本部」や「化学物質対策庁内連絡調整会議」のような関係部局による横断的な連絡調整組織を編成し、各部局の持つ専門性を生かしながら対応に当てているところでもございます。

 有害化学物質問題に総合的に取り組むには、現場と直結した対応能力を持つ現行組織を機動的、横断的に活用する推進本部の設置が効果的ではないかと考えております。

 私は、実質的な効果を上げていれば推進本部方式でもいいのではないかというふうに思っております。限界が見えた時点で、御提案は生かしていきたい。このように考えております。

県営神川温泉保養センターの売却について

山川百合子

 この議案は、県営神川温泉保養センターを17年度をもって廃止するというものです。昨年八月にまとめられた、県の「出資法人あり方検討委員会」の報告では、神川温泉保養センターは本来民間が行うべきものであり、民営化を検討すべきとされています。それを受けて県では民営化の検討に入られたと思いますが、民でできることは民でという言葉だけで今回の売却の説明を終わらせるのではなく、官でやるべき事業であったのか、たった4年間で県営としては閉鎖に至ったのはなぜかについて総括と反省が必要です。総括をし、報告書にまとめることで同じようなことを繰り返すことを防ぎ教訓とすることができます。

 そこで、公営企業管理者に伺います。

 第1に、この事業の目的とされている「地域振興、まちの活性化」についてその目的を達成できる事業であるのか、計画段階で詳細な経済波及効果が検討されていたのかについて伺います。

 第2に、減価償却後利益については平成144年度より既に1億円を超す赤字ですが、そもそもの経営の見通しはどうであったのか、見通しどおりにいかなかった要因は何であったのか伺います。

 第3に、経営はうまくいかなかったが本事業は地域振興には大いに役立った、欠かせない事業だったと県として判断しているのかについて伺います。効果をできるだけ具体的に示してお答えください。

 最後に、本事業の終了に当たって事業評価を行い、報告書としてまとめる必要があると思いますが、作成されるかどうかお伺いいたします。

島村和男 公営企業管理者

 まず、第1の「地域振興等を達成できる事業であるのか。また、経済波及効果が検討されていたのか。」についてでございますが、神川温泉保養センターは、若者から高齢者まで、様々な県民が憩うことのできる施設として、地元神川町と協力して建設、運営してきたものでございます。

 計画段階において、詳細な経済波及効果の検討は行っておりませんが、多くの県民の方々の利用により、観光、経済、雇用など様々な面で、地域の振興が図られるものと見込み、事業化に踏み切ったものでございます。

 次に、第2の「経営の見通し」についてでございますが、他の温浴施設の利用者数や、周辺に町営の運動施設が整備されることなどを考慮し、年間45万人から50万人程度の需要を見込みまして、開業後、9年目には単年度黒字に転換できるものと計画をしておりました。

 また、「見通しどおりにいかなかった要因」についてでございますが、保養センターの利用者は、開業2年目に、年間40万人を超えましたものの、その後減少傾向となってしまいました。保養センターの開業に前後して、周辺に相次いで類似施設がオープンしたことが大きな要因であると考えております。

 次に、第3の「本事業が地域振興に役立ったと判断しているのか。」についてでございますが、今月23日には150万人目の入館者を迎え、多くの県民の方々に低料金でのサービスを提供できたと考えております。

 さらに、併設しております地元民間事業者が経営しているレストランや売店は、年間2億円以上を売上げ、また、地元農協が運営しております農産物直売所も年間およそ7千万円程度の売上げがあるなど、雇用面も含め、この地域の活性化に大きく貢献しているものと存じております。

 次に、第4の「事業評価を行い報告書を作成するのか」についてでございますが、この事業は、県営の事業としては終了いたしますが、施設は民間に引き継がれ、引き続き地域の振興に寄与していくものと考えております。

 御指摘のように、過去の事業運営を評価することは、極めて重要でございますので、民営化後の地域の税収や雇用の状況なども含めて、総合的に評価し、それらを取りまとめた上で、今後の企業経営に生かしてまいります。

出前講座による県民ニーズの把握について

山川百合子

 今年4月に埼玉県でも出前講座がスタートしました。出前講座では県の施策の説明や紹介など、県政についての情報提供を行います。しかし、この出前講座は担当職員が現場や地域に出ていき、直接県民と接するとても良い機会です。この機会を積極的に生かし、県政についての情報提供としてだけではなく現場や地域の状況の把握や県民ニーズを把握する場として位置づける必要があると思います。

 そこで、総務部長にお伺いいたします。

 今年度半年間で実施された講座はどのくらいありますか。そしてこれまで実施した講座において講座を開催した際に、県民から出された意見で施策や取り組みに反映したり反映を検討しているのか。また、県民の反応や出される質問などから認識を改めたり深めているのかについて伺います。幾つか例を挙げてお答えください。

 県職員は県政の情報提供だけでなく積極的に現場や地域の状況把握や県民ニーズを把握する姿勢で臨み、そこで得られた情報や認識したことを踏まえて施策に取り組んでいくべきと私は考えます。総務部長の御見解を伺います。また、今後どう取り組まれるかについても併せてお答えください。

坂口護 総務部長

 「県政出前講座」は、職員と県民の方々が直接対話する機会を拡大し、県民参加の開かれた県政を推進するため、本年4月から全庁的な取組のもとに開始をいたしました。

 9月までの半年間の実績でございますが、64件の講座が実施され、延べ7,000人を超える方々に御参加をいただいたところです。この中で、合計87件の御意見等が出されております。例えば、県民・消費生活課が行った「くらしの中の契約トラブル」の講座では、「だまされた時の手口とその対応方法をQ&A形式で配ってほしい」などの意見が出され、こうした意見を参考に、お年寄りを消費者トラブルから守るための小冊子を作成したところでございます。このほか、中川・綾瀬川総合治水事務所で行った治水対策の講座などの会場で貴重な御意見をいただいたところでございます。

 議員御指摘のとおり、県政出前講座は、職員ひとりひとりが、県民の皆様と膝を交え、県政への御意見、御要望、考え方など生の声をお伺いし、施策にフィードバックするための貴重な機会であると認識をしております。

 そこで、この実施に当たりましては、必ず参加された県民の方々と意見交換の機会を設けることとしております。また、参加された方からの意見や要望は、全職員が情報を共有できるよう1元的にデータベースに蓄積し、新たな施策や事業の検討に反映できるようにしております。

 今後とも、講座テーマの拡大や内容の充実を図り、より県民の目線からの事業の立案や実施ができるよう、地域の状況や県民ニーズの把握に努めてまいります。

DPFの性能調査について

山川百合子

 七月十2日の定例知事会見で知事はDPFの性能の調査を県独自に行うことを表明されました。3井物産のDPF装置のデータ捏造問題を受けて東京都が性能の実証試験を行ったが、いまだにDPFの性能に疑いを持つような排ガスの状態が見られるとの指摘を受けて、「疑念がある以上やる」と判断されたとのことです。

 そこで、環境部長にお伺いします。

 この調査の方法では、DPFを搭載しているディーゼル車から排出される排気ガスを目視によって確認するとのことですが、素朴な疑問として、単に目で見るだけで調査の信用性を担保できるのか、まずお伺いします。

 ある自動車メーカーの研究所に長年在籍しておられ、ディーゼル技術が専門の方は、「一般的には黒煙は角度や流速、天候状態によって微妙に変化するため、定量性を持たせた観測としては精度は高くない、むしろそういった状態に左右されないガーゼテストの方が黒さ、濃淡がはっきりする」と言われています。目視ですと第3者にも確かめられる客観的な証拠はないわけですが、ガーゼテストであれば物的証拠も残ります。両方の方法について技術的な見解をお伺いします。

 第2に、目視確認という方法を選択するに当たって、どのような議論と判断がなされたのかについて御説明ください。そして目視では化学的判定ができず、県としては目視を行った調査者にその結果を依存することになります。そのような調査方法で得られた結果は県民、そして関係都県市の納得が得られるでしょうか。御見解をお伺いいたします。

 第3は、目視検査に何らかの客観性を持たせるためには第3者の同席が必要だと思いますが、例えば同席を希望している報道機関はそれを許されていないと聞いています。その理由をお伺いします。

 第4に、DPFに不具合が発見された場合に、そもそも合格と認定した際の検査に誤りがあったのか、それとも使用している間に劣化し性能が落ちたのか、どのように判断するのかお伺いします。

 第五として、この目視確認検査は10月下旬までに100台を目標に実施しているとのことですが、この100台はどのように選び、検査の対象となる製品は何種類で、また検査の対象となっているDPFを装着している車両は県内どのくらいありますか。そして検査の結果、不具合が見つかった場合、何台であればその種類の製品は合格で、何台あれば不合格とされるのかお尋ねいたします。

 以上、細かい点もありますが、できるだけ詳しく、また技術的、専門的な知識に乏しくても分かるよう明快な御答弁をお願いします。

 さて、千葉県にある観光会社で3台のバスに装着されていたDPFをDPFメーカーが自ら取り外したということをお聞きしました。交換ではなく取り外したそうです。これはメーカーが自社製品に問題があることを認めたということにならないでしょうか。まず、このことについて県はどういう御見解を持っていらっしゃるかお伺いします。

 この例からも、埼玉県内でも適合車とされたけれども、装着を取り外して走行している車両があるのではとの疑念を持ちますが、そのような車両は県内ではどのくらいあると考えていらっしゃいますか。調査を行っていないのであれば、このことについても早急に追跡調査を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。環境部長の御見解をお伺いします。

飯島正美 環境部長

 まず、目視調査によって信用性を担保できるかとのお訊ねでございますが、今回の目視調査の方法につきましては、国土交通省が推奨し、その調査方法も定めている「黒煙チャート」を用い、職員が3名から4名のチームを編成して実施しておりますことから、信頼性が確保できるものと考えております。

 なお、「黒煙チャート」とは、紙に黒煙の濃淡を濃度幅で示したもので、マフラーから排出される黒煙の濃度を測る「物差し」の役目を果たしているものでございます。

 次に、目視調査とガーゼによる方法との技術的な比較についてでございます。黒煙チャートを使用した目視調査は、風や光に影響されること、調査者が1定の熟練を必要とするなどの制約ございますが、調査結果を濃度の幅として数値で表せること、測定条件が定められていることなど方法として安定しているという点がございます。これに対しまして、ガーゼをマフラーに当てて行う方法は、捕集した黒煙が残るという利点はございますが、ガーゼのメッシュの大きさによって捕集の程度が変わること、黒煙の濃淡を比較する「物差し」がないなど、調査方法としての特性がございます。

 次に、黒煙チャートを使用した目視調査を採用した理由でございますが、その調査方法も確立したものであり、一般的に行われていることから採用したものでございます。

 調査者につきましては、経験を積んだ職員がチームを編成し実施するとともに、必ず事業所の整備担当者の立会いを求め、確認し合いながら調査を実施するなど、最大限客観性を確保するようにいたしております。

 また、調査への第3者の同席についてでございますが、事業所側の同意があれば可能であると存じます。

 次に、調査によって装置に不具合が発見された場合は、エンジンの整備状況、DPF装置の機能、メンテナンスの状況等を総合的に検討しながら原因を究明してまいります。

 次に、調査対象の選定でございますが、装置の装着補助を行った車両の中から、県内における装置メーカーのシェアや車種の割合などを反映するように、選定いたしております。調査の対象となる装置は、8種類の予定であり、また、これらを装着した県内における車両台数は、約6400台でございます。

 次に、合格不合格ラインの台数についての御質問でございますが、今回の調査結果から、直ちに各製品の合格不合格を判断するのではなく、それぞれ不具合の原因を判断するために行うものでございます。

 次に、DPF装置を取り外した車両の事例についてでございますが、千葉県に確認をいたしました。取り外しの経緯は承知していないとのことでございます。

 なお、県が実施しております路上検査等の運行規制においては、DPF装置の装着の有無を直接確認できることから、仮に、装置を外している車両があれば、不適合車両として指導することになります。

 また、これまでのところ、県内で、DPF装置を取り外して運行している車両は確認されておりません。

 今回の調査は、DPF装置やエンジンなどの整備・メンテナンス状況等と排出ガスとの関係に関するものであり、この調査結果を踏まえまして今後のディーゼル車対策に生かしてまいりたいと考えております。

災害時の緊急体制とボランティアの活用について

緊急体制の整備について

山川百合子

 県では、大震災やそのほかの大災害に備えて防災計画や震災対策計画、危機管理指針など様々な計画や指針を作成しています。昨年の総務省のデータによれば、自治体の地域防災力、危機管理能力で埼玉県が全国2位になったことは関係部署の多大な努力によるものと評価されます。

 しかし、どんな立派な計画がつくられていても実際に災害が発生した際に、その計画なり体制が機能しなければ何の意味もありません。総務省のデータで1位になった東京都では、今年7月の地震の際に初動体制に入るべき職員が登庁しなかったことが報道され、職員の危機管理に対する認識の甘さが露呈した形になりました。

 そこで、埼玉県の危機管理体制が実際に機能しているのか、危機管理防災部長にお伺いします。

 まず、上田知事の県政下で台風や地震などの災害時に計画どおり初動体制が機能しなかったことはありますか。また、それぞれの災害時の経験を生かして計画や体制の在り方に改善を加えたことはあるでしょうか。具体例を示してお答えください。

 第2に、現場の状況に柔軟に対応するためには、現場への権限移譲が不可欠と考えますが、県の体制はどうなっていますか。できるだけ具体的にお答えください。

飯島和夫 危機管理防災部長

 初動体制における職員の参集ですが、危機管理防災部幹部職員、消防防災課職員は、これまで病気などの特別な事情のある職員を除き、参集しなかった職員はおりません。

 県全体での初動体制は、本人、家族が罹災することも考慮し、3分の2、約7割の職員が参集するものと見ております。本年7月に発生した震度5弱の千葉県北部地震では、79パーセント、約8割の職員が参集しており、初動体制は機能していると考えております。

 また、新潟県中越地震災害などの教訓を踏まえ、災害対策本部の見直しを進め、職員の配備基準をわかりやすくするとともに、人員を増加するなど、体制の強化を図りました。

 そのほか、被災者のニーズにあった備蓄物資の見直し、集中豪雨時における情報伝達、避難所の運営などに関する指針を策定をいたしました。

 現在は、救援物資管理システムを構築中です。

 次に、現場への権限委譲ですが、県では、被災地における迅速な災害対応ができるように、14の地域機関に災害対策本部の支部を設けております。

 各支部には、防災基地の開設、市町村災害対策本部との連絡調整、市町村が実施する避難誘導や避難所の運営への協力などについて、判断を1任しております。

 なお、災害時には、予測できない事態が発生しますので、今後も、救援物資の配分権限などを委譲するなど、状況に添える柔軟な体制の整備を進めます。

ボランティアの活用について

山川百合子

 阪神・淡路大震災の際には全国からたくさんのボランティアが駆けつけ、救援や生活支援、復興支援に携わりました。兵庫県の調べでは、発災から1か月間は1日当たり2万人、3か月間で延べ117万人が活動していたものと推計されています。一方で阪神・淡路大震災の経験は、災害時に駆けつけた多くのボランティアの方々の力を最大限に生かせなかった、コーディネートがうまくなされなかったために現場で大きな混乱があったなどの反省があります。いつ私たちの暮らす埼玉の地も大地震をはじめとする大災害に見舞われるか分かりません。是非とも他地域の教訓から学ばなければなりません。災害時の救援、支援に大きな力となるボランティアを貴重な資源ととらえ、最大限有効に働いていただく体制を整備することが県の重要な役割だと思います。

 埼玉県の地域防災計画には、ボランティア団体との連携を積極的に推進することが明記されていますし、平成8年からは「埼玉県防災ボランティア登録制度」を設けています。しかし、いざというときに「防災ボランティアセンター」が迅速かつ適切な対応ができる体制となっているのか大きな疑問を持っています。そして登録されているボランティアの方々が最大限その意思と力を発揮できる体制になっているのか。また、各地から駆けつけてくださるであろうボランティアの方々をうまく調整できるシステムができているのか甚だ疑問です。

 そこで、まず災害時における県内外から志願してくださるボランティア団体や個人の方々の力を県民の救援、支援活動に生かし、県民の心身を救い、生活と復興を助けていただくことについて、知事の考えをお伺いいたします。

 続いて、危機管理部長にお伺いいたします。

 まず、平成八年より行われている「ボランティア登録制度」の事業内容についてお答えください。その上で、実際に大災害が起こった際に登録されているボランティアの方々がどのように動かれるのかについてできるだけ具体的にお答えください。

 第2に、各地から駆けつけるボランティア団体や個人の方々のコーディネート体制はどうなっているのか御説明ください。また、ボランティアのコーディネートという点において市町村との連携体制はどうなっているのかについてもお伺いします。

 第3に、NPOをはじめとして大災害の際に救援、支援に乗り出せる専門の技術、知識、経験を持った団体とどのような連携体制をとっていますか。県内の団体はもちろんのことですが、大震災の際に同時に被災する可能性の低い近隣県以外の県、例えば中部、関西地方の団体や県との連携についてもお答えください。NPOの中にはボランティアをコーディネートすることを専門とするものもあります。自治体でも他地域での大災害の際に派遣できるチームを持っているところもあります。例えば兵庫県の「ひょうご・フェニックス救援隊」に連携をお願いするなどの取り組みはなされていますか。

 第4に、千葉県や神奈川県のように災害時のボランティアセンターの立ち上げのシミュレーションをしていますか。

 以上、それぞれできるだけ具体的にお答えください。

 最後に、今後県内外各地から救援、支援に駆けつけてくださるボランティア団体、個人の方々の力を最大限生かす体制をつくっていくことについて、危機管理防災部長の決意をお伺いいたします。

上田清司 知事

 私自身も、災害ボランティアバイクネットワークの顧問をしておりまして、実際、訓練に2度ほど参加したこともございます。

 大規模災害時の、災害ボランティアの活動というのは大変重要だというふうに考えております。

 新潟県集中豪雨や中越地震で、多くの災害ボランティアが全国から被災地に駆けつけ、救援活動を行いました。

 彼らのスピーディーで、行政でカバーできないきめ細やかな被災者への救援活動には、大変驚くものがございました。

 私も、大規模災害により被害を受けた多くの方々の心身を救うとともに、生活の再建と復興を進めるためには、災害ボランティアの献身的な活動は、なくてはならないものだというふうに思います。

 今年の八都県市の合同防災訓練では、初めて、災害ボランティアバイク隊が訓練に参加をいたしました。

 また、9月19日に開所しましたNPO法人日本救助犬協会の訓練所設置を支援するなど、NPOや災害ボランティアとの連携強化を進めているところでございます。

 しかし、活動支援に当たって整理すべき課題は山積しております。支援体制も十分だというふうには思っておりません。

 今後、大規模災害が発生した場合、災害ボランティアが、最大限活動できるよう、災害ボランティアに関わる方々と意見を交わしながら、実効性を重視した、そういう仕組みというものを、体制というものを、ご提案のように作っていきたいというふうに考えております。

飯島和夫危機管理防災部長

 災害ボランティア登録制度は、県内で災害ボランティアとして活動意欲のある15歳以上の方に登録してもらい、災害時において救援・支援活動を行っていただくものでございます。

 現在、定期的に機関誌を発行し、他のボランティアの活動状況を紹介するとともに、研修会・講習会を開催をいたしております。大規模災害発生時には、自らの意志で被災地に赴いていただき、必要とされる支援活動をしていただいております。

 次に、ボランティアのコーディネート体制ですが、被災市町村で避難所が開設されると同時に、ボランティアセンターも立ち上がることとなっております。県も県社会福祉協議会と協力し、ボランティアセンターを立ち上げますが、現時点では、それらセンター同士の連携が、十分に図られる体制になっているとは言えません。連携体制の強化は緊急の課題でもあり、今後速やかに改善してまいりたいと考えております。

 次に、NPOをはじめとした各種団体との連携についてでございますが、災害初期の情報収集については日本アマチュア無線連盟埼玉県支部と、道路及び河川の緊急工事については埼玉県建設業協会と、電気設備の復旧工事は県電業協会などと、災害時の応援協定を締結しており、必要な支援活動をしていただくこととしております。

 現在、県外の団体との連携は行っておりませんが、今後は県外遠方の団体にも積極的に働きかけてまいります。

 次に、災害時のボランティアセンターの立ち上げシミュレーションでございますが、9月3日の8都県市合同防災訓練におきましても、県社会福祉協議会と協力し、センターの立ち上げ訓練を行いました。今後も、様々な機会をとらえ、市町村とも連携した立ち上げ訓練を実施してまいります。

 災害ボランティアは、被災地における救援活動の大きな柱の1つであり、被災者の支援や復興活動において欠くことのできない存在でありますが、本県の取組はまだまだ十分とは言えず、現在見直しを進めております。

 今後、行政と各種ボランティア団体が1同に会する連絡会議などを設置し、交流や情報交換を行い、災害ボランティアが最大限にその能力を発揮し、救援活動ができるよう、全力をあげてその体制づくりに取り組んでまいります。

発達障害児者への支援の充実について

山川百合子

 今年4月1日に発達障害者支援法が施行され、児童の発達障害の早期発見と発達障害者のための施策が示されました。発達障害とは、学習障害(LD)や注意欠陥障害(ADHD)、高機能自閉症、アスペルガー症候群などを含み脳の機能障害と考えられているものです。この法律の施行によって地方公共団体にも発達障害児者の総合的な支援体制の充実が求められるようになっています。

 一方で、発達障害についての認知が広がることで特に子供の発達過程で現れる特性や、またその子供の個性を安易に発達障害と判断してしまうことがないよう保育や教育、また医療の現場では慎重な対応と専門機関と連携が求められるところです。アメリカでは発達障害に対して投薬が行われ、その副作用で死亡するケースも報告されているようで、本人、家族、それぞれの関係者、そして行政機関が正しい知識と情報を得て対応法を選択していく必要があると思います。

 このようなことを踏まえた上で発達障害児者の支援策の充実に向けて以下質問いたします。

 まず、乳幼児期の早期発見のために保健師や保育士に研修を行うことが必要と思いますが、この点における県の取り組みについて、福祉部長にお伺いします。

 次に、教育長にお伺いします。

 学校教育現場での教育的支援の充実が求められており、県としてはこれまでの取り組みをどう発展させていくのかお伺いいたします。

 第1に、これは午前中にも質問がありましたけれども、特別支援教育コーディネーターについてですが、教師の中から指名するのではなく新たに人を配置する必要があると思いますが、いかがでしょうか。日々多様な業務に追われている教員にコーディネーターという仕事を新たに加えるのには非常に無理があると思われます。

 第2に、関係機関との連携、協力においては協議会への参加とともに子供たちの学習や学校生活の補助においてNPOや地域の方々との連携が必要と考えますが、いかがでしょうか。

 第3に、子供の居場所の確保が必要と考えますが、県としてはどう対応されますか。発達障害のある子供たちは、日々の集団生活の中での緊張がとても高いケースも見られると思います。そういった子供たちが学校生活の中で1息つくことのできる場所が必要と思いますが、いかがでしょうか。

 続いて、専門的な発達支援体制の充実にどう取り組んでいかれるか、福祉部長にお伺いいたします。

 埼玉県内には発達障害者支援センターとして「まほろば」があります。今後、相談、専門的な発達支援、就労支援などの機能を持つ機関を増やすとともに、既にその役割を担っているとされている機関においてはその機能の充実が必要と考えます。専門的な発達支援及び就労支援については、現在の発達障害者支援センターにおいてもその機能の強化が必要と思われます。

 最後に、就労支援に早急に取り組んでいただきたいと思っておりますので、産業労働部長にお伺いをいたします。

 就労に当たっては、就労支援センターや県の現場担当者が発達障害についての正しい認識を持つよう、研修や正しい情報提供が必要です。また、就労先で障害についての正しい理解を得ることは、発達障害者が社会で自立していくために、また理解されないことによる苦しみを背負うことがないようにするためにも是非とも必要です。県としてどうこれを取り組んでいかれるのかお伺いをいたします。

大津晄 福祉部長

 まず、「乳幼児期の早期発見のための保健師や保育士への研修について」でございますが、県では、全国に先駆けて平成14年10月に設置した発達障害者支援センター「まほろば」において、毎年、保健師、保育士をはじめ、福祉施設職員や教員を対象に研修を実施してまいりました。平成16年度は、18回、674人を対象に研修を行い、そのうち、保健師及び保育士につきましては、125人の方が参加したところでございます。

 また、埼玉県社会福祉協議会が行う保育士を対象とする研修の中でも、発達障害児についての研修を行っております。

 さらに、発達障害児につきましては、早期発見が何よりも重要でありますことから、幼児の1歳6か月及び3歳児健康診査を担当する市町村保健師などを対象にした、県主催の母子保健研修の中で、本年度から、特に発達障害をひとつのテーマに設定し、研修を開始したところでございます。

 発達障害に対する理解については、未だ十分とは言えません。今後とも研修内容の充実を図りますとともに、研修を積極的に受講するよう関係団体に働きかけてまいります。

 次に「専門的な発達支援体制の充実について」でございますが、まず、相談、専門的な発達支援などの機能を持つ機関を増やすことにつきましては、県内に17か所開設しております知的障害者生活支援センターでその機能を担うことができるよう検討を進めてまいります。

 また、発達障害者支援センターの機能の充実につきましては、有識者などからなる発達障害者支援体制整備検討委員会を、本年度、県に設置いたしまして、発達障害児の個別支援計画をモデル的に策定することとしております。その結果を踏まえまして、発達障害者支援センターの機能の充実につきまして検証を進めてまいります。

 今後とも、保健、医療、福祉など関係機関の連携を強化しながら、発達障害児者に対する支援体制の充実に努めてまいります。

稲葉喜徳教育長

 まず、特別支援教育コーディネーターを、新たに配置することについてでございますが、厳しい財政状況の中、県単独で予算措置を行うことは大変難しい状況でございます。そこで、県から全ての小・中学校においてコーディネーターの指名が行われるよう市町村教育委員会に依頼してありますが、その際に指名された教員に業務が集中し過度の負担とならないよう、併せて要請しているところでございます。また、国に対しましても全国都道府県教育長協議会を通して、これを制度化し、独立した配置について要望しております。

 次に、NPOや地域の方々との連携についてでございますが、県では、現在、発達障害のある児童生徒に適切な支援を行うため、大学教授、医師、臨床心理士などで構成する広域特別支援連携協議会を設置し、教育、医療、福祉、労働等の関係機関との連携を図っております。NPOや地域の方々との連携の在り方などにつきましても、この協議会におきまして、今後研究してまいります。

 次に、子どもの居場所の確保についてでございますが、議員御指摘のとおり、発達障害のある子どもたちの中には学習集団などの中で緊張が高まり、集団生活に適応できない場合もございます。こうした場合に、余裕教室などを活用して個別の指導を行うことにより落ち着きを取り戻し、また元の集団に戻ることができたという事例もございます。今後こうした取組を紹介した指導事例集を作成するなどして、各学校に情報を提供し、発達障害のある1人1人の児童生徒のニーズに応じた支援の1層の充実に努めてまいります。

馬場竹次郎産業労働部長

 発達障害者の就労を進めていくためには、民間事業所などに対して発達障害を正しく理解してもらうための情報提供、啓発が重要であると考えております。

 そこで、まず県では、産業労働センターや市町村の障害者就労支援センターなどの職員に対しまして、発達障害者支援センター「まほろば」を会場に研修を行ってまいりました。

 さらに、就労支援センターや福祉施設で就労支援に携わっている職員を対象に、障害者の職場適応援助のための研修を実施しております。その中で、「発達障害者の特性と対応」につきましても研修を実施しております。

 また、障害者雇用の様々な情報交換や連携ができるよう、就労支援センターをはじめ、県、埼玉労働局、「まほろば」など就労支援に携わる機関による「障害者就労支援センター等連絡協議会」を、平成17年度新たに設置をいたしました。

 今後、この連絡協議会におきましても、ハローワークなどと連携し、発達障害についての研修や意見交換ができる場を設けてまいります。

 さらに、就労先となる民間事業所に対する働きかけにつきましては、平成17年度の障害者雇用の啓発パンフレットに、発達障害者支援法や支援機関についての情報を加え、啓発に取り組んでおります。

 現在、国において、発達障害者に関する「事業主向けの雇用管理マニュアル」の開発を進めているところであり、今後、この成果を活用し、事業所に対する啓発に1層取り組んでまいります。

NPO施策の充実について

今後の取組について

山川百合子

 まず、日本で1番NPOが活動しやすい県、日本1のNPO立県を目指す埼玉県として、上田知事の任期後半の2年間どのような施策に取り組み実現させていくおつもりなのか、知事よりお伺いしたいと思います。

上田清司 知事

 日ごろから山川議員には、NPOの育成やさまざまな御協力に感謝するところであります。

 私は、知事就任に当たり、日本1のNPO宣言をしましたが、埼玉県の人口規模やその内容からすると、NPOの認証団体がいかにも少ないなとそういう認識をしておりました。

 したがって、御承知のとおりNPO支援を進めるために、昨年4月に埼玉県特定非営利活動促進基金、いわゆるNPO基金を設置いたしました。

 この基金を活用してNPO法人の設立支援やNPOとの協働事業を実施しているところでございます。

 また、NPOの活動拠点となる事務所を低額で提供するNPOオフィスプラザを設置し、NPOの情報を広く県民に活用していただくNPO情報ステーションの開設など、NPO活動促進のための施策を積極的に実施してまいりました。

 この結果、NPO法人の数も平成15年8月末から17年8月末の2年間で393法人増加しております。これは、全国平均よりも40ポイント高い増加率となっております。

 2年で倍近く増えておるというふうに思っております。

 現在、県が認証したNPO法人は715でございますので、今後、3年間で新たにNPO法人の認証件数600を目指したいと考えております。

 ただ、経営基盤がぜい弱なNPO法人が多いというのも現状でございますので、マネジメントセミナーをはじめ税務・会計相談を行うなど、NPO法人の自主的な活動を担保する、そういう支援をさせていただきたいと考えております。

 さらに、NPO法人の活動理念や目的が多様でありますので、その活動をきちっと評価し、県が様々な施策を推進する上でNPOとの連携を進めやすいようにしていきたいと考えております。

 こうしたことを踏まえて、現在の「NPO活動の促進に関する行政方針」の見直しを行いまして、自主性を踏まえて、さらにNPOが活動しやすい体制づくりを進めたい。このように考えております。

NPO基金について

山川百合子

 県では、基金を民が民を支えるシステムとして民間から寄附を募っています。基金導入から五年後に県の積立金がなくなったときは民間からの寄附によってこの基金を運営していきたいということですが、それが可能となるような状況でしょうか。民間からこの基金への寄附状況と今後の見通しについてお伺いします。

 県民のこの基金に対する認知度及び関心度は余り高くないと思われます。例えば私が行った電話による質問調査では、NPO基金の存在を知っている人は百七十五人中3十1人で、およそ1八パーセント、この制度について「詳しく知りたいと思う」とお答えになった方は百八十五人中4十七人で、およそ2五パーセントでした。この制度を県が言う、民が民を支えるシステムとして機能させるのであれば、県民に認知され、また関心を持たれることは最も基本と考えますので、この点を含めてお答えください。

坂口護 総務部長

 この基金の造成に当たりましては、県が1億円を積み立てるとともに、県民の皆様にも寄附をお願いし、平成16年度には、25件、総額約595万円の寄附をいただいたところでございます。

 この基金を活用し、平成16年度におきましては、NPO法人の設立や活動を支援するため、27法人総額約973万円の助成を行ったほか、NPO法人の組織や運営に関する相談事業を行うなど、総額約1966万円のNPO活動の支援事業を実施いたしました。

 この基金は、「民」が「民」を支える財政支援システムとして設けたものでありますことから、県の積立金の全てを取り崩した後におきましても、1定規模の額を毎年度確保することが必要でございます。

 そこで、NPOの活動が社会に果たす意義や、基金への寄附に当たってNPO活動の分野指定を行うことができることなどについて広くPRをし、1人でも多くの県民の皆様の御協力をいただけますよう、努めてまいります。

国への働きかけについて

山川百合子

 昨年は数回に及ぶ台風、新潟中越地震が日本列島を襲い、また暮れにはスマトラ沖大地震が発生し、大きな被害をもたらしました。

 これらの大災害は世界中の人々の大きな関心事となりました。現地の大きな被害に心を痛め、世界中の人々が救援、支援活動に対する寄附を寄せました。

 ところが、現地のニーズにこたえる救援や復興など人道支援を行う日本のNPO法人の多くに寄附が集まりにくいという問題がありました。諸外国のNGO、NPOと比較して格段に寄附が集まりにくいのです。

 これには様々な要因があると考えられますが、日本ではNPOへの寄附を促進する制度が不十分であることが大きな理由の1つと考えられます。

 日本では寄附金控除の対象となる認定NPO法人の数が3十六と極端に限られているように、NPO、NGOに対する民間の寄附に対して十分な制度的バックアップがないのです。NPOへの寄附に関係する制度改正に向けては国でも大きく動いており、政府税制調査会が今年六月に発表した基本的考え方では、認定NPO法人制度をもっと多くのNPO法人が使えるように認定要件を改正すべきであるとか、指定寄付金の制度の在り方についても見直しを行う必要があると述べており、国の制度改正が心待ちにされるところです。ただ国の制度改正を待つだけでなく、国に対してNPOが活動しやすい制度をつくるよう制度改正や新たな法律の制定を働き掛けていくことが、日本1NPOが活動しやすい県を目指す埼玉県に求められていることと思います。

 そこで、緊急事態の救援、復興支援に対する寄附、1定の期間、1定の児童に対する寄附に対してはその寄附先が認定NPO法人でなくても寄付金が所得控除、また損金算入の対象となるという特別な措置をとることを求めていただきたいと願っています。これはNPOが寄附金を集めやすくすると同時に緊急事態に必要とされるきめ細やかなニーズに対する支援を促進することにもつながります。是非緊急時の寄附を促進する特別措置法を制定すべく国に働き掛けていただきたいと思います。総務部長にお伺いをいたします。

坂口護 総務部長

 御質問にもございましたとおり、近年、新潟中越地震やスマトラ沖大地震など、大きな災害が起こっております。

 こうした災害が起きたときに、様々なNPOがいち早く被災地に入り、被災住民の救出や復興支援などに活躍しており、NPOの果たす役割には非常に大きいものがございます。

 議員御指摘のように、こうしたNPO活動への寄付金が集まりやすい環境づくりが必要となっております。

 現在、寄付金控除の対象となる認定NPO法人の要件の緩和について、国へ要望しているところでございますが、今後、NPOが行う災害救助活動等の1定の事業に対する寄附金についても税制上の措置を行うことにつきまして、国へ要望することについて検討してまいりたいと存じます。

古綾瀬川のダイオキシン類汚染問題について

山川百合子

 綾瀬川は、全国で1、2を争う汚い川と言われています。県では、平成7年度から「綾瀬川清流ルネッサンス21」計画を実施し、河川の浄化に努めていただいております。改めて感謝をいたします。

 ところが、この綾瀬川に流れ込む古綾瀬川が全国的にも類を見ないほどの高濃度のダイオキシン類に汚染されているという深刻な問題が明らかになりました。

 平成十年度に環境省が実施したダイオキシン類重点調査で古綾瀬川の局所的な汚染が判明しました。平成15年度と16年度の調査では、弁天橋の上流750メートルから下流の綾瀬川合流点手前までの約2キロメートル範囲で34地点中10地点で環境基準を大きく上回る高濃度のダイオキシン類汚染があるとの結果が出されたとされています。

 環境基準をはるかに上回る高濃度の汚染状態を放置すれば、大量の雨が降った際、底にたまっている汚泥が撹拌され、綾瀬川に流れ海に運ばれるかもしれません。古綾瀬川には微生物だけでなく魚も生息していますので、人間の体内に入らないという保証はありません。

 県では、これまでに調査を行い、今年度は補完調査を実施しています。汚染度量の推計を行った上で具体的な工法の検討に入るということですが、早急に抜本的な対策を求めるものです。そこで、まず知事にお伺いをいたします。

 広く県民の健康と安全を守る知事として、古綾瀬川における有害物質汚染対策に是非早急に取り組んでいただきたいと考えます。知事のお考えをお伺いいたします。

 次に、環境部長にお伺いいたします。

 第1に、補完調査によって汚染状況及び汚染の発生源の特定はできたでしょうか。たとえ浄化対策を行っても汚染の発生源をなくさなければ無意味です。

 第2に、対策の具体的な工法について伺います。

 検討されている底質表面の暫定的封じ込めでは完全な封じ込めができるでしょうか。また、底質の掘削については、たまっているダイオキシンが掘削時に撹拌されることはないでしょうか。また、掘削したダイオキシン類の処分についてはどのような検討をなされていますか。

 以上、環境部長にお伺いいたします。

上田清司 知事

 現在の古綾瀬川のダイオキシン類汚染は、主に昭和30年代中頃からの高度経済成長期の社会経済活動がもたらした、環境上のマイナスの遺産、遺産と言えば、一般的に良いのですが、良くない遺産ではないかなと思います。

 川底に堆積しています土砂のダイオキシン類はご指摘のように全国的に見ても大変厳しい、しかも、大変解決の難しい問題、つまり、かなり広範囲な形の中で発生源が考えられますし、あるいは又、原因の究明をどこに求めるかというような大変困難な問題がございます。

 現時点で、水質調査結果では、直接、県民の健康に直ちに影響を及ぼすことはないと報告は受けておりますが、しかし、今後、ご指摘の部分もございますし、県民の安心を確保するために、水質の監視の継続をしっかりとやっていくこと、それと何よりも、ゴミの山と同じですが、捨て得にならないように、汚染原因の究明と発生源の特定を進めて、当然、こうした人たちについても協力を得て、水質のより浄化に努めていかなければならない、このように考えているところでございます。一生懸命、問題提起に対して対応していきたいと思います。

飯島正美環境部長

 まず、発生源の特定に関しましては、平成15年度から古綾瀬川の底質、いわゆる川底に堆積した土砂でございますが、この底質の汚染実態調査に本格的に着手し、今年度は高濃度の底質汚染が確認された水路周辺の工場に対しまして立入調査を実施しているところでございます。

 しかし、古綾瀬川は、流域に立地する事業所も多く、長年にわたり蓄積された汚染であること、また、流入する水路の多くが暗渠であるなど、難しい問題も多く、現段階では、汚染源を特定するまでにはいたっておりません。

 今後とも、学識経験者により構成されました「古綾瀬川底質対策検討委員会」の助言をいただきながら、さらに詳細なデータ分析や、過去に遡って、流域の工場等の製造品目や化学薬品の使用状況等の実態調査を行うなど、引き続き、原因の究明と発生源の特定に全力を挙げてまいります。

 次に、第2の「対策の具体的な工法」でございますが、現在、「汚染底質の封じ込め」あるいは「底質の掘削除去」を中心に安全性の高い工法について検討いたしております。また、掘削工法を選択した場合の「汚染土の処分」につきましても、脱水したうえで、適切な管理の行える処分地へ搬出するなど、2次汚染を引き起こさない方法について検討しているところでございます。

 これらの対策につきましても、「古綾瀬川底質対策検討委員会」の助言をいただきながら、汚染の拡散を確実に防止できる方法を選定し、この問題の解決に向けて取り組んでまいります。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、正式な会議録とは若干異なります。