埼玉県議会議員 山川百合子

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平成18年9月定例会 一般質問

「認定こども園」の認定基準について

山川百合子

 今年6月、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律が制定され、来月1日から施行されます。ここで規定される認定こども園は、保育に欠ける子には幼児教育の充実、保育に欠けない子には保護者の子育て支援を一体的に提供するとともに、待機児童解消と総合的な子育て支援の取組として期待されていました。

 しかし、さきの164国会での審議を通して、この法律について様々な問題点があることが分かってきました。この認定こども園の認定は、第三条で都道府県が行うこととなっており、その認定基準も県が定めることとなっています。この基準策定に当たっては、子供の最善の利益を念頭に、子育て世帯を支援するために必要な施設とサービスが提供されるよう、県として責任あるものとしていかなければなりません。

 そこで、以下五点について福祉部長に伺います。

 まず一点目として、何よりもまず基準の設置に当たっては、児童福祉法第一条の「児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ育成され、その生活を保障され、愛護される」とあり、この法案に先立つ中教審と社会保障審議会児童部会の合同部会の2004年12月の答申にあるように、子供の最善の利益に基づくものでなければならないと考えていますが、この基本についての確認をまずしておきたいと思います。

 次に、二点目として、本年10月1日が施行になっており、各都道府県ではその基準づくりが進んでいますが、埼玉県ではいまだ基準が確定していません。今議会に条例が提案されないとすると、12月の条例制定になるわけですが、保育所より募集の早い幼稚園型、ある種は地域裁量型では、来年4月の入園時に対応できないと思いますが、いかがでしょうか。基準づくりが遅れている理由についても、併せて伺います。

 続いて、基準の策定に当たっての具体的な留意点について伺います。
 まず、保育料に関する基準についてです。

 認定こども園では、保育料を園独自で定めることができます。第13条第七項で、「市町村の長は、市立の保育料の額が第五項の規定に適合しないと認めるときは、その変更を命ずることができる」としており、一定の歯止めはあるものの、値上げが行われることも予測されます。待機児童が多い地域は供給不足に陥り、高い保育料を支払わざるを得ない場合が生じ、子育て支援とは逆行してしまいます。このような状況に陥らないためには、保育料に関する基準も必要ですが、その点についてはいかがでしょうか。

 四点目は食についてです。
 国の基準では、給食の外部搬入について認めていますが、このことは食育基本法に反しているのではないかと思いますけれども、法第三条第四項で、「文部科学大臣と厚生労働大臣とが協議して定める施設の設備及び運営に関する基準を参酌して都道府県が定める」とあり、「参酌」とは参考にすることであり、そのとおりにすることではありません。県として独自の子育て支援策には、本来の保育の在り方に立ち返ったものにすべきですが、福祉部長の御見解と県での基準設定の際の考え方について伺います。

 最後に五点目ですが、施設スタッフの労働条件の維持改善についてです。
 認定を受けることによって、母体となる幼稚園や保育所などの業務は大きく変わることが予想され、保育士、保母の資格が原則として必要であることなど、職員の労働条件にも変更が生じる可能性があります。よって、設置者は認定を受けるに当たっては、職員と十分話し合った経過を宣誓書に添付するなど、認定要件に織り込んでいただきたいと思います。
 以上、五点について福祉部長より御答弁願います。

大津晄 福祉部長

 まず、1点目の基準設置に当たっての基本についてでございます。
 認定こども園が、「子どもの健全育成」を目的とすることは法律に明記されておりますが、議員御指摘の「子どもの最善の利益」を考慮することは当然のことと考えております。

 2点目の来年4月の入園児の対応と基準づくりの遅れの理由についてでございます。
 認定基準の条例案については、国の基本指針が提示されましたのが8月であり、県といたしましては、この指針を受けて、幼稚園や保育所などの関係者との意見交換の期間を十分確保して作成することが必要と考えたためでございます。
 また、来年4月の入園につきましては、県といたしましては、12月議会での提案をめざしておりますので、当面は既存の幼稚園や保育所として 募集を行い、条例案が御議決いただければ、速やかに認定申請をいただき、 来年4月からの入園に間に合わせたいと考えております。

 3点目の保育料に関する基準についてでございます。
 認定こども園のうち、認可保育所の保育料につきましては、法律上、保育に要する費用の額を勘案し、保護者の負担能力にも配慮した形で設定するものとされております。
 また、額の設定が不適切であると認める場合には、御指摘のとおり、市町村長が変更を命じることができることとされております。
 県といたしましては、こうした仕組みを通じて、負担能力に応じた適切な保育料が設定されるよう、市町村や園に対して適切に指導をしてまいります。

 4点目の給食の外部搬入についてでございます。
 認定こども園においても、調理室の設置が原則であります。
 しかしながら、幼稚園には調理室が求められていないことから、既存の幼稚園が認定こども園となる場合を考慮し、指針では3歳以上の児童のみを受け入れる場合、外部搬入を認める考えであります。
 県といたしましては、食育の観点から、発達段階等に応じた食事内容や 食育計画に基づく食事の提供などが必要と認識しております。
 このため、こうした条件を外部搬入の条件として求めてまいります。

 最後に、認定要件に設置者と職員の十分な話し合いの経過を盛り込むことについてでございます。
 園の設置者と職員との間で、労働条件等について十分な話し合いが持たれることが望ましいことは言うまでもありません。
 しかしながら、こうした労使関係については、労働関係法規の遵守により対応すべきものであり、認定基準としてはなじまないものと考えております。

【再質問】山川百合子

 御答弁では、食育の視点を外部搬入の条件としていくというような御答弁をいただいたかと思うんですけれども、食育基本法を見ますと、基本計画をつくることが定められておりまして、保育所の食育基本計画の策定に当たっては、厚生労働省から指針が出されております。その中の保育所の食育の位置付けのところにおいては、子供は毎日の保育所での食事を通して、食事をつくる人を身近に感じ、つくられた食事をおいしく楽しく食べ、それが生きることにつながっていく。そして、食事をつくる場と食べる場をつなげ、子供に生産者や食事をつくる人の顔が見えるように工夫することが食育の目標を達成するために大切であるというふうに書かれております。ここに、こういうふうに指針に書かれておりますけれども、外部搬入を認めるということは、ここの指針にも反するものではないかと思うんですが、御見解をお伺いをいたします。

大津晄 福祉部長

 県といたしましては、先ほども御答弁申し上げましたとおり、食育の観点から発達段階に応じた食事内容や食育計画に基づく食事の提供がきちんとされることが必要であると十分認識しております。
 指針の中で搬入を認めている以上は、県といたしましては、こうした条件を外部搬入にあたっては、きちんと明示していこうということでございます。
 食育の基本を決して揺るがせにいたす考えはございません。

ノーマライゼーションについて

県政の基本理念としてのノーマライゼーションについて

山川百合子

 障害の有無にかかわらず、分け隔てられることなく、一緒の社会環境の中でともに生きる社会、共生社会の実現、これがノーマライゼーションの理念です。我が国においても、このノーマライゼーションの理念が1981年の国際障害者年の年にもたらされ、その実現に向けて取組が行われるようになりました。

 埼玉県では、1998年3月策定の「彩の国障害者プラン」において、ノーマライゼーションの理念の実現に向けた取組を明記し、また、2003年の「彩の国障害者プラン21」では、「ともに学び、ともに暮らす社会を目指して」をスローガンとして掲げています。私は、この「ともに学び、ともに暮らす社会、ともに生きる社会」、共生の社会は理念として大変美しいものの、その実現の道は大変険しいと思っています。しかし、だからこそ、その実現への強い決意であらゆる困難に立ち向かい、それぞれの課題を着実にクリアする政策が必要と考えています。

 そこで、まず知事に伺います。
 知事は、埼玉県の県行政のあらゆる分野において、このノーマライゼーションの理念を基本にし、またその実現に向けて真しに取り組まれていることと思いますが、改めてその御決意をお伺いしたいと思います。

 次に、教育委員会委員長に伺います。
 ともに学び、ともに暮らす社会の実現に向けて、教育においてもノーマライゼーションの理念が掲げられております。是非、その実現に向けて真しに取り組んでいっていただきたいと思いますが、御決意をお願いします。

上田清司 知事

 私は、自分の責任でない理由で辛い思いをしている方々を社会全体でカバーする、このことが政治の基本だとか行政の基本ではないかというぐらいに考えている人間であります。
 これは、そういう意味で、高齢者や障害者も区別されることなく社会生活ができる、このことと同じ意味を持つ考え方ではないかなというふうに思っております。
 そこで、いろんな障害者の施設や障害者の活動等々を、私も意識的に見て歩いております。
 先般も、スペシャルオリンピックス日本・埼玉第1回埼玉地区競技会に出席をさせていただきました。大変熱心に、それぞれの方々が取り組んでいる姿、スポーツする人たちも大変美しい、そして、一生懸命限界の中で努力をしている人たちも美しい、本当にすばらしいと思っております。

 また、昨年の12月に障害者の絵画展を見に行きましたが、すばらしい才能にあふれた絵、ちぎり絵等々がありまして、銀座なんかの画廊に出しても恥ずかしくないんじゃないかと、そんなことを思ったりしております。
 また、私は、春山 満さんといって、本人自身は筋ジストロフィーで寝返りも打てない車いす生活でありますが、大変活発な実業家でもありますし、先般も熊谷の有料老人ホームのプロデュースをされた方でもありますし、私は、すばらしい方だなと、心から尊敬をしております。

 そういう方々もおられますし、また、私、川越にあります埼玉県立盲学校を訪ねました。なぜ訪ねたかと言いますと、私の問題意識の中で、目に不自由をしていれば、はり・きゅう・マッサージが生活の基本かもしれないけれど、それで終わっていていいのかという問題意識があったからです。たぶん、何かに不自由な分だけ違う才能があるんじゃないかと、そういうことを開発するような教育の仕組みになっているんだろうかというような問題意識を持っておりましたので、率直にそうした意見を校長にぶつけてまいりました。

 できるだけ、障害のある方々にも才能とか、その方が持つ運命とはいいませんが、使命というのでしょうか、ミッションというのでしょうか、そういうものを見いだせるような社会、そういうものが私は大事だというふうに思っておりますので、山川議員の問題意識と同じようにですね、社会の中でノーマライゼーションを広める活動を、一生懸命やっていきたい、こんなふうに思っております。

 現在の5か年計画の底流の中にも、そうしたものは、私は折り込んでいるつもりでもありますし、県行政のあらゆる分野でですね、ノーマライゼーションが浸透するような、そういう仕掛けをできるだけ打ち込んでいきたい。このように決意をしておりますので、よろしく御助言いただきたいと思います。

上條さなえ 教育委員会委員長

 ノーマライゼーションの理念の実現に向けて、障害のあるなしにかかわらず、子どもの頃から共に育ち、共に学ぶ環境を整えていくことは、教育行政の重要課題でございます。
 このため、本県では、平成15年度に、埼玉県特別支援教育振興協議会におきまして、新たな障害児教育システムの整備に向けた検討をお願いいたしました。

 本協議会において提言をいただきました「ノーマライゼーションの理念に基づく教育」を、教育行政の最重点施策の一つとして位置づけ、その推進を図っているところでございます。
 具体的には、盲・ろう・養護学校の児童生徒が地域の小・中学校の仲間と一緒に学ぶことができる「支援籍」制度の創設など、新たな仕組みづくりを進めてまいりました。

 今後とも、「共に学び共にくらす社会」の実現に向けまして、「支援籍」制度の全県への拡大や、社会で自立できる自信と力をはぐくむ高等養護学校の設置などとともに、ノーマライゼーションの理念に基づく子どもたちの心の教育の推進にも努めてまいります。

教育のノーマライゼーションと特別支援教育

山川百合子

 国では、国際社会における教育のノーマライゼーションの進展や、障害のある特別な配慮を必要とする子供たちへの対応に迫られる中、障害児教育の在り方の転換を迫られてきました。さきの第164国会では、学校教育法等の一部を改正する法律が可決成立し、日本における障害児教育はこれまでの特殊教育から、その対象として含まれていなかった通常学級に在籍するLD、ADHD、高機能自閉症ほか、特別な支援を必要としている子供すべてを対象に必要な支援を行っていく特別支援教育に移行することとなりました。来年の4月に始まります。障害の有無によって分け隔てられることなく、ともに学び、ともに生きる社会を実現するためには、当然教育の場においても分け隔てられることがないことが基本となります。

 さきの国会の衆議院文部科学委員会で、特別支援教育についての、民主党・藤村議員の質問に対する答弁の中で、小坂文部科学大臣は、流れはインクルージョンであるということをはっきりさせていきたい。その上で、現場の体制整備を行っていきたい。国民の理解をさらに促進していきたいと述べられました。これに先立ち、自民党の馬渡議員が、学校教育法施行令の原則分離を撤廃せよという趣旨の質問を行いましたが、通常の学校にみんなが通える、そしてその中で特別支援を必要とする人はその部分でそうして、それ以外の部分はみんなと一緒に行動する、そういう理想の形へ向けて努力をしたいとの大臣答弁もあったのです。

 そこで、教育長に伺います。

 これら国会での質疑、答弁を踏まえ、来年の4月から始まる特別支援教育は、原則統合に向けた考えに向かっているということでよろしいでしょうか、御答弁をお願いいたします。

島村和男 教育長

 共に学び、共に生きる社会を実現していくことは大切なことであり、障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに応じて「心のバリアフリー」を育む教育と、「社会で自立できる自信と力」を育む教育を推進する必要がございます。

 先の通常国会で学校教育法が改正されました。特別支援教育については、障害の種類別となっていた盲・ろう・養護学校を複数の障害に対応できるような学校制度に変えること、新たに通常の学級のLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)など発達障害児への対応を図るようにすることの2点が大きな改正点でございます。

 したがいまして、法改正の内容そのものは、障害のある子もない子も全て通常の学級で教育するという意味での「原則統合」という改正ではないと認識をしております。

 今後、本県におきましても、盲・ろう・養護学校、小・中学校などそれぞれの教育の場で、一人一人のニーズに応じた特別支援教育の実現に努めてまいります。
 また、盲・ろう・養護学校の教員が小・中学校の障害のある児童生徒の教育について助言・援助していくなど、互いに連携した教育を推進してまいります。

【再質問】山川百合子

 特別支援教育は原則統合ではないという御答弁がありました。私が聞いておりますのは、すぐ原則統合教育になるということを言っているわけではなくて、統合教育に向けて県としても取り組んでいくのかということを聞いておりますので、御答弁をお願いいたします。

島村和男 教育長

 先の国会におきまして、教育の方向性としてインクルージョンあるいはインクルーシブな教育を目指すといった議論があったことは承知をしております。
 そうした中で、文部科学大臣は、学校教育法施行令の改正による「現場の体制整備」と「国民の理解の促進」を念頭に置いて、そうした発言をなされたものであろうと認識しております。

 県教育委員会として、インクルージョンを目指すのかどうかということについては、決定事項ではございません。
 法律に基づき、また、県教育委員会として、ノーマライゼーションの理念に基づく教育を現在進めているという状況でございます。

県立養護学校高等部の分校の設置とノーマライゼーションの推進

山川百合子

 先に引用した大臣の御答弁で示されましたように、流れはインクルージョン(統合教育)です。養護学校高等部の分校設置については、教室不足となった養護学校の高等部を高等学校の校舎に分校として設置するというもので、あくまで別々の学校、生徒としては分離されています。しかし、同じ敷地、同じ校舎で学ぶことになり、統合教育の方向への一つのステップとして積極的に評価してよいのでしょうか。養護学校分校設置三校において交流教育を進め、さらに共同学習や、ともに学ぶ方向へ向けてどう取り組んでいかれるか、教育長にお伺いをいたします。

島村和男 教育長

 養護学校高等部の分校は、養護学校の教室不足を解消するとともにノーマライゼーションの理念に基づく教育を推進するため、平成20年4月に開校しようとするものでございます。
 お尋ねの交流教育につきましては、お互いを尊重しあう基本的な姿勢があってこそ効果を発揮するものと考えております。そのため、開校に向けた準備の段階から、高校生が障害について学ぶことや高校と本校となる養護学校との間で交流会を行うなど、基本的な意識の醸成を図ってまいります。
 また開校後も、部活動交流や授業交流などを進めております他県の例を参考にしながら、各種の交流授業や共同学習について検討し、取り組みを進めてまいりたいと存じます。

【再質問】山川百合子

 交流教育を進めていくという御答弁がありました。私が聞いておりますのは、すぐ原則統合教育になるということを言っているわけではなくて、統合教育に向けて県としても取り組んでいくのかということを聞いておりますので、御答弁をお願いいたします。

島村和男 教育長

 先の国会におきまして、教育の方向性としてインクルージョンあるいはインクルーシブな教育を目指すといった議論があったことは承知をしております。
 そうした中で、文部科学大臣は、学校教育法施行令の改正による「現場の体制整備」と「国民の理解の促進」を念頭に置いて、そうした発言をなされたものであろうと認識しております。

 県教育委員会として、インクルージョンを目指すのかどうかということについては、決定事項ではございません。
 法律に基づき、また、県教育委員会として、ノーマライゼーションの理念に基づく教育を現在進めているという状況でございます。

障がい者の就労支援について

障がい者の社会参加と教育のノーマライゼーション

山川百合子

 「障がい者の地域生活と就労を進め、自立を支援する観点」から設置したとされる障がい者自立支援法が今年4月に一部施行、この10月に全面施行となります。法の施行により、障害者の就労支援策を強化することが求められます。そこで、障がい者の自立、就労促進の根本は、教育のノーマライゼーションにあるという点について、産業労働部長及び教育長の御見解をお伺いします。

 現在の教育制度では、障がい児は小学校、中学校、高校まで分けられた特別な環境で学び、生活しています。しかし、その後、就労という年齢になったとき、いきなり一般社会に入り、働くことになります。そのハードルが低いわけはありません。一方、ほとんどが健常者によって成り立っている職場にとってみれば、これまで一緒に過ごしたことのない人たちを受け入れることになり、果たしてどう一緒に働いていけるのか戸惑ってしまうでしょう。受け入れる側のハード面での整備はもとより、ソフト面、すなわち心理的なハードルも決して低くはないはずです。

 もし、小さいときから、当たり前のように障害のある人が学校や地域にいたら、一緒に学び、一緒に遊び、時にはけんかをし、お互いを知ることでコミュニケーションを自然にとり、結果的には互いの人格を認め合う、多様性のある社会を学び取ることができると私は思います。したがって、障がい者の就労を支援していくことの基本には、教育におけるノーマライゼーションが大前提となります。産業労働部長及び教育長、それぞれの御見解をお伺いします。

飯島和夫 産業労働部長

 幼児期から、小、中、高校まで、健常者と日常あまり交わらない形で過ごしてきた障害者が、直ぐに多数の健常者のいる職場に入り、その中で働くということは、それは大変なことと思います。
 子供の時から、日常的に障害者と健常者が交わり生活することは、お互いの理解につながるものと受け止めております。
 そのため、学校生活から職業生活にスムーズに移行するために、学校で様々な配慮と工夫がされることは、大変好ましいことと考えております。

島村和男 教育長

 障がい者の就労を拡大していくためには、ノーマライゼーションの考え方が社会に広まることが大切であります。
 そのため、学校教育において、ノーマライゼーションの理念に基づく教育が重要であると認識をしております。
 現在、支援籍制度の普及を図りながら「心のバリアフリー」を育むとともに、盲・ろう・養護学校では、企業の協力を得て、生徒の「産業現場等における実習」を実施し、「社会で自立できる自信と力」を育むことに努めております。
 今後も、支援籍などの活動を通して障害のある子と障害のない子がお互いを知り、認め合い、支え合える教育を推進し、ノーマライゼーションの理念の実現に努めてまいります。

県内企業の法定雇用率の達成について

山川百合子

 さきに発表された埼玉県の新たな5か年計画「ゆとりとチャンス」のさいたまプラン大綱では、障害者の社会参加、就労支援の促進が掲げられ、施策指標として5年後の平成23年には、民間企業における障害者雇用について、法定雇用率1.8パーセントを達成することを掲げています。ちなみに、昨年度は埼玉県では1.41パーセント、過去5年間1.4パーセント前後で推移し、全国でもワースト2位から6位で動いています。遅まきながら、法定雇用率を何としてでも達成しようという県の意気込みを評価したいと思います。

 そこで伺います。数値達成に向けて、民間企業における働き掛けはどのようになされるのか、これまでどおりの取組を継続するだけでは実現は危ういと思います。また、障がい者雇用促進法の改正による精神障がい者と短時間労働者が分子にカウントされることで、数字が上昇することはあり得ますが、それではワースト6位は返上できません。

 そこで、1.8パーセントの内訳として、短時間労働者と正規雇用者との目標数値を伺います。また、改正「障害者雇用促進法」の施行によるジョブコーチ助成金やグループ就労訓練助成金の創設などの有効な活用に加え、県の独自施策もお示しください。産業労働部長にお伺いします。また、知事には、県内企業に対する強いメッセージを発するなど、やる気をお示しください。

上田清司 知事

 次に、「障がい者の就労支援について」のお尋ねのうち、「県内企業の法定雇用率の達成について」でありますが、本当に低い水準で推移をして残念であります。
 それぞれの部門のメンバーが努力はしているというふうに、私も思っておりますが、重大な欠陥にも少し気が付きました。
 例えば、障害者福祉課の皆さんは、障害者の実態、あるいはそのネットワークをよく知っている。しかし、企業との接点を持ってない。
 一方、産業労働部の皆さんは、雇用の実現だとか、そういう面で一所懸命努力をしている。しかし、障害者福祉のことはもう忘れてる。

 こういう嫌いがあるなあというふうに思いますので、二つを合わせ技でいけるような仕組みを作ったらいいんじゃないかということで、今年の4月から、担当者に研究を進めさせておりますので、近々、その中身ができあがると、私は思っておりますので、そうした新しい仕組みで、改めてですね、障害者の方々が本当の望みである雇用、就労の部分にですね、きちんといくような、できるだけそういうことができるようにやっていきたいというふうに思っております。
 障害のある方が一人でも多くですね、就労によって自立した社会生活を送れるように、できるだけ県として努力したい、このような決意であります。

飯島和夫 産業労働部長

 まず、数値達成に向けての民間企業への働き掛けについてでございますが、障害者雇用率を企業規模別に見ますと、従業員300人以下の事業所で雇用率の低い状況が見られます。
 そこで、今年度から、これらの事業所を特に選び、職員が直接訪問し、障害者の雇用を求めております。
 今後、直接企業に働き掛ける方式を中心に取り組んでまいります。

 次に、1.8%の内訳としての短時間労働者と正規雇用者との目標数値についてでございます。
 戦略指標については、現状の雇用率が1.41と低いことから、まず、法で義務付けられた民間企業の1.8%の雇用率を目指すことといたしました。
 この1.8%を達成するためには、現在の雇用者数約5,700人を30%近く増加させ、約7,300人とする必要があります。

 非常に厳しい目標ではございますが、今後5年間で何とか達成したいと考えております。
 短時間労働者と正規雇用者のそれぞれの目標数値の設定ですが、難しく設定するまでに至っておりません。
 これは、単に1.8%、また、その内訳の数値を設定し、達成することが目標ではなく、何より、一人一人の障害者の心と体、能力はどうあれその人の特性や希望に合った就労支援を行わなければならない。
 一人でも多くの障害者の雇用を確保することが終局の目標であろうという考えもあることからです。

 次に、ジョブコーチ助成金やグループ就労訓練助成金の有効な活用と県の独自の支援策についてでございます。
 これらの助成金はいずれも国の助成制度でございますが、創設されて間もないことから十分に活用されていないと聞いております。

 これについては、国や就労支援機関と連携し、制度の周知に努めてまいります。
 県独自の支援策につきましては、ジョブコーチを1人でも多く育成するため、障害者就労支援センターや社会福祉法人の職員を対象に研修を実施しております。
 また、「障害者就労支援センター等連絡協議会」を設置し、国や県、関係機関などとのネットワーク化を図り、就労支援の充実にも努めております。

多様な就業形態支援の必要性について

山川百合子

 ノーマライゼーションを実現していくには、法定雇用率が達成されればよいということではありません。むしろ、法定雇用率が適用される常用労働者、56人以上規模の企業よりも小さい規模の事業体、町工場や地域のお店で雇用の場が確保されることが重要です。心身のハンディのために、長時間勤務が難しく、法定雇用率に算定されない方たちにも就労の機会を広げ、障がい者雇用のすそ野を広げていくべきです。

 このような小規模の事業者や地域での雇用促進は、市に設置される障害者就労支援センターが行っていくこととされています。しかし、県からの補助はセンター設置運営のための費用のみです。国のトライアル雇用事業やジョブコーチ事業、短期職場適応訓練事業など、既存の支援制度では対象とならない支援策も必要です。障害者就労支援センターがそうした支援を行う際の助成の強化をすべきではないでしょうか。身近な地域での職場体験や相談業務は極めて有効と考えます。

 以上のような点を踏まえて、県として積極的に取り組んでいっていただきたいと思います。産業労働部長に伺います。

飯島和夫 産業労働部長

 障害者雇用の裾野を広げるためには、何より、障害者の状況に合わせて、いろいろな働き方があるということが理解される、まず、社会づくりが必要と考えております。

 障害者就労支援センターが各地域に設置され、障害者の希望・状況に合った就労支援を行うことで、その社会づくりにつながっていくものと考えております。

 そこで、事業への助成強化は視野にいれつつ、まずは、現状71市町村中13市の設置にとどまっている障害者就労支援センターの設置促進に力を注いでまいりたいと考えております。

県立定時制高校の再編整備について

パレットスクールは定時制高校の代わりとなり得るか

山川百合子

 平成13年3月に策定された「21世紀いきいきハイスクール推進計画」では、全定併置校33校から13校程度まで減らし、新しいタイプの定時制として単位制のパレットスクールを、東西南北地区にそれぞ1校ずつ設置することが示されました。定時制高校の再編整備は、まず南部地区が対象となり、区内にある全定併置校9校のうち、与野、蕨、浦和商業の3校がパレットスクール第一号としての戸田翔陽高校に統合され、3校の新入生の募集がなくなりました。これら3校は、来年度、最後の4年生の卒業をもって閉校となります。

 これらの統廃合をめぐっては、対象校で大きな反対運動があったことは記憶に新しく、県議会でも再検討や教育委員会の真しな対応を求める質問が繰り返されてきました。当時の教育長は、定時制のよいところは引き継いでいくと繰り返し答弁をされ、3校の定時制課程から引き継ぐ教育活動等検討委員会を設置し、報告書にもまとめられました。私自身も、2004年の9月議会で、引き継ぐためには関係する人たちがつくり上げてきたものが重要だ。統合される3校の特徴や、よいところが新校で確実に引き継がれ、実践されているのか検証していくべきだと質問をいたしました。検証することによって、今後のパレットスクールと定時制の統廃合の在り方をよりよいものにできるからです。

 そこで伺います。まず、9月21日の教育委員会でパレットスクールが取り上げられ、パレットスクールが定時制高校とは異なっていることを指摘する発言が複数あったと聞いております。教育委員会で出された複数の意見それぞれと、事務局である県教育局の説明内容について、教育委員会委員長にお伺いします。

 次に、教育長に伺います。

 戸田翔陽高校を通じて、教育局がパレットスクールは定時制の代わりとなり得るのかという視点に立った検証を行っているか伺います。また、現段階での評価をお伺いします。

 次に、戸田翔陽高校の入試倍率を見ると、不登校や中途退学、そのほか様々な事情で学習到達度の低い生徒が入れない事態が懸念されます。定時制高校は、比較的ハードルが低いことから、中学や別の高校でつまずいた子供たちがもう一度学びたい、つまり再チャレンジしたいと思ったときに入りやすいという特徴があると思います。入学の時点で、パレットスクールで排除される可能性のある生徒についてはいかがでしょうか。

 また、戸田翔陽高校では、III部の生徒の学校行事や部活動が授業の前に昼間行われていると聞いていますが、その場合、働いている生徒は学校行事や部活動に参加できないのではないでしょうか。夜間定時制高校でないため、多くの生徒が働いていないことを前提とし、夜間にしか来られない生徒の授業以外の学校生活よりも、IからIII部の生徒が一緒に活動する場が優先されてはいないでしょうか。
 以上、教育長にお伺いします。

上條さなえ 教育委員会委員長

 9月21日開催の教育委員会会議におきまして、「県立高等学校の中期再編整備計画」について協議をいたしました。
 委員から「パレットスクールが夜間の定時制を引き受けられるとは感じられない」との意見や、「夜間部で制服というのは無理があるのではないか」などの意見がございました。

 これに対しまして、事務局からは「パレットスクールこそが様々な生徒に対応できるものと考えている」「できるだけ定時制の生徒の受け皿になるようにしたい」「夜間の定時制課程を全てなくすことではない」、などの説明がありました。
 私からは、「今、定時制に通っているような生徒が通い続けられるパレットスクールであって欲しい」と発言いたしました。

島村和男 教育長

 まず、「こうした視点に立って、パレットスクールの検証を行っているかについて」でございます。
 「3校の定時制課程から引き継ぐ教育活動等検討委員会」の報告の中で、「きめ細かな指導体制の確立」や、「ホームルーム単位での活動の重視」など、13の引き継ぐべき事項が示されました。

 これらについては、開校1年目が終了した本年3月に、学校からのヒアリングや学校訪問を通して、引き継ぐべき事項の対応状況を把握するなど、検証に努めているところでございます。
 現段階の評価でありますが、戸田翔陽高校に入学した、不登校や中途退学の経験者90人程度のうち約9割に、出席状況の改善が見られました。
 また、生徒に対する学校生活のアンケートで、満足していると答えた生徒が全体で64.1パーセント、夜間のIII部の生徒では60パーセントおりますことなどから、概ね順調にスタートできたと考えております。

 次に、「再チャレンジしたいと思っている生徒が、パレットスクールで排除される可能性があるのではないか」についてでございますが、
 III部の過去2年間の入学者のうち4割から5割の生徒が、中学校で欠席の多かった者及び他の高校を中退した者などとなっておりまして、これは他の定時制高校と同じ程度の割合でございますので、数字を見る限りでは、そうした傾向はないものと考えております。

 「III部で、働いている生徒は、学校行事や部活動に参加できないのではないか」についてでございますが、昨年度は、III部の生徒の8割が遠足、文化祭、体育祭などの学校行事に参加しております。
 学校側でも、一部の学校行事を土曜日に設定するなど、働いている生徒が参加しやすいように努めているところでございます。

 また、部活動については、I部とII部、及びII部とIII部の間の時間で実施しており、生徒の参加割合は、I部、II部、III部とも約3割となっております。

 次に、「I部からIII部まで全生徒が一緒に活動する場が優先されているのではないか」についてでございますが、 生徒総会や外部講師を招いた講演会などは、生徒が参加しやすくなるよう、それぞれの部ごとに実施しております。
 なお、体育祭、文化祭などI部、II部、III部の生徒が一緒に活動する機会も設けており、生徒同士の交流を深めるようにしております。
 戸田翔陽高校も含め、パレットスクールの整備・運営に当たりましては、現在の夜間定時制に通っているような生徒が、学び続けられる学校となるよう、努めてまいります。

【再質問】山川百合子

 教育長の御答弁の中で、戸田翔陽高校のIII部の生徒の8割が学校行事には参加しているし、また部活はI部とII部の間、それからII部とIII部の間に行っているというふうに御答弁がありました。現在、夜間の定時制高校に通っている子供たちは、パレットスクールでも学び続けられるような、そんなシステムにしていくというような御答弁もありました。

 しかし、一つ問題がここにあると思っています。一つは、定時制に通っている子供たちがほとんど、働く子供たちの減少ということを定時制高校の統廃合の一つの前提としているのではないかと思われるところでございます。定時制高校に通っている子供たちの働いている状況を見てみますと、大体65パーセント前後の子供たちが働いていると言われております。

 一方、既に始まっておりますパレットスクール、戸田翔陽高校のIII部の子供たちの働いている割合、これは一つの指標というか、一つのデータとして、夜食、給食の補助を受けている子供たちの割合を見ますと、去年の数字で17パーセントというふうに出ております。

 一方、今回、再編整備の中期の第二期の再編整備で統廃合の対象となっております鴻巣高校の定時制においては、夜食の補助を受けている割合が70パーセントでございます。これを見ますと、夜間定時制に通っている子供たちの多くが働いている。一方、戸田翔陽高校のIII部に通っている子供たちの2割弱のみ働いているという、数字として現れていると思います。

 そうしますと、では夜間定時制に通っている子供たち、働いている子供たちがパレットスクールに行って、それまでに得られてきた学習の機会、学びの機会を得られるのかという疑問が起こります。といいますのは、先ほどの引用しました御答弁の中で、部活はIからII部の間、それからII部からIII部の間に行われているということは、III部の授業が始まる前に部活が行われているということでございます。そうしますと、働いている子供は部活に参加することができません。それをどう思われていらっしゃるのでしょうか。

 働きながら学ぶ子供たちの学ぶ機会というものについて、パレットスクールでは本当に提供できるのか、その学ぶ機会というのは、もちろん授業での学びだけではなくて、学習指導要領にも示されておりますし、基本計画の中で部活動の充実というものを書かれておりますけれども、教科書を通じた勉強以外の特別活動やクラブ活動を通じての学ぶ機会、その学ぶ機会の提供ということについては、パレットスクールではどうなんでしょうか。実際数字を見たり、先ほどの御答弁をお伺いしていますと、学ぶ機会を提供していないのではないかというふうに思われますが、いかがでしょうか。

島村和男 教育長

 「県立定時制高校の再編整備について」でございますが、学校行事に夜間のIII部の生徒の8割が参加している、あるいは部活動も3割ぐらいで、I部、II部と同じような数字であるということで、そうしたことに対して、定時制ではありますが、夜間に学ぶ生徒も午前、午後の生徒と数字の上では変わりがないことでございますので、そうした意味では、部活の、あるいは学校行事について、遜色なくと言いますか、大きな差異がないものであろうというふうな理解をしております。

 部活動につきましては、ただ、申し上げたように、II部とIII部の間で主に3割の生徒が活動しているということでございますが、そこでなくてはいけないということで学校側が強制しているとか、いうことではございませんで、結果的にそういう時間帯で多くの生徒が集まり、部活動をしているということであります。
 希望等があれば、学校側としても、III部の授業が終わった後に、顧問の教員の協力も得て、活動することについては、考え方としては持っているということでございます。

 また、働く生徒の割合でございますが、私どもが把握している働く生徒というのは、なかなか統計取りづらい面がございますが、いわゆる正規の仕事に就いている定時制の生徒の割合は、定職率と申しますが、昨年度3.6パーセントでございます。

 また、議員お話しにも出されましたが、給食補助の基準が年間パート、アルバイトで90日以上、職に就いているということが、給食の補助の要件になっておりますので、そうした統計がございますが、そうした90日以上パート、アルバイト等で働いている者が昨年度31.4パーセントという状況でございます。

 それと比べまして、戸田翔陽高校の夜間の定時制の生徒の比率というのは、若干、低いような話を聞いておりますが、ちょっと今具体的な数字を申し訳ありませんが出せませんが、それほど差はない、若干下回る、というようなことでございます。

 そうした意味で、先ほど私が可能な範囲で数字等を挙げて、お話しして、個々の生徒の実態というのはなかなか比較ができずらいものでございますので、数字でお話しいたしましたが、

 今後の戸田翔陽高校の学校運営、あるいは今準備しております狭山新校、そして成案にはなっておりませんが、吹上のパレットスクール、それぞれ構想を計画していく段階では、それぞれの統合される定時制高校の関係者が入った、あるいは地元の市、町の方々が入った新校準備委員会が設置されますので、そうした中で十分に御指摘の点等も踏まえまして検討していってもらいたいというふうに思っております。以上でございます。

【再々質問】山川百合子

 教育長の方から、いろいろ数字も挙げて御答弁をいただきましたが、御答弁をいただいている中で、教育長がパレットスクール、戸田翔陽高校は第一号なんですが、パレットスクールが定時制のかわりとなり得るというふうな、自信を持ってお答えいただいているようには見えません。教育長がそういった不安の中でやられているのであっては、本当に私も心配しております。やはり問題は、生徒のことでありますので、県教委として本当にパレットスクールが夜間定時制のかわりになり得ているというのであれば、本当に生徒に分かりやすい設置基準なんかも示さなければいけないと思うんですが、いろいろお答えいただきましたが、その点がよく分かりません。是非、その点については本当に大事なことです。子供の学ぶ機会を奪わないでほしいという大切な点ですので、是非その点には御留意いただければと思います。それを含めまして、もう一度御答弁をいただければと思います。お願いします。

島村和男 教育長

 今回の再編計画におけるパレットスクールの設立の推進につきましては、自信を持って進めています。
 それから、パレットスクールの設立基準でございますが、最初の答弁でも申し上げましたが、全日制に併置する形の定時制高校を統合する形で、東西南北地域バランスをとって、在籍率の低い学校などを、総合的に勘案してパレットスクールを設置します。
 周辺の定時制高校については、これは、在籍率等に関わりなく、方向としては「21世紀いきいきハイスクール推進計画」において、統合するということで、そうしたことで、準備を進めているものでございます。

統廃合対象校の選定基準について

山川百合子

 21世紀いきいきハイスクール推進計画の中で、定時制の課程における再編整備の方針として、近隣に複数ある定時制の課程については、入学率、在籍率等に留意して統合等を含めた再編整備を図るとあります。

 しかし、前期に行われた南部地区では、9校ある定時制高校のうち、統廃合となった3校のうち2校は前期の計画が策定された年、その前年ともに在籍率が9校中上位に、そして三番目の学校でした。逆に、統廃合の対象とならなかった浦和高校定時制の在籍率は過去4年間、9校中最下位で、昨年、一昨年は3割を切り、26~27パーセント、逆に来年度で廃校となる浦和商業は昨年91パーセントと高い在籍率です。また、中期第二期の対象として提案されている北部の定時制高校の在籍率を見ても、統廃合の対象となっている鴻巣高校の昨年度の在籍率は66パーセントで、北部の中で上尾高校定時制の87パーセントに次いで高い割合です。

 このような矛盾が生じた理由をお示しください。その上で、今後も継続されるパレットスクールの設置と定時制高校の統廃合に当たって、客観的に納得のできる基準をお示しください。統廃合となる定時制の基準とともに、パレットスクール設置校の選定基準もお示しください。
 以上、教育長にお伺いします。

 そして、統廃合の基準と、実際に対象となった学校の実態に矛盾が生じているのであれば、再編整備に当たって新しい学校をつくるということに力点が置かれ過ぎ、定時制高校の教育的意義に対する視点が不十分ということはないでしょうか、教育委員会委員長にお伺いをします。

上條さなえ 教育委員会委員長

 現在の定時制課程につきましては、不登校や中途退学者などの多様な学習歴のある人の入学が増えており、定時制に求められるものも多様になっておりますことも事実でございます。
 再編整備にあたりましては、そうした多様な生徒の実態を踏まえながら、引き継ぐものは新しい学校に引き継ぐことができるようにしたいと考えております。
 今後様々な求めに応じられるよう、夜間定時制やパレットスクールのバランスよい配置に努めてまいりたいと存じます。

島村和男 教育長

 まず、「パレットスクールの設置と統廃合にあたっての客観的に納得のできる基準」についてでございますが、

 基本は、平成元年3月に11万5,600人でピークを迎え、平成25年には約6万5,000人の水準まで減少すると見込まれております、中学校卒業者数の推移によるものでございます。
 また、夜間定時制の高校においては、働きながら学ぶ生徒の減少という実態がございます。
 こうしたことを背景といたしまして、全日制高校及び定時制高校の再編整備やパレットスクールの設置を計画しているものでございます。

 次に、「統廃合となる定時制の基準とパレットスクールの選定基準」についてでございますが、21世紀いきいきハイスクール推進計画の再編整備の方針に基づき、生徒募集が困難な状況であり、かつ、将来もその傾向が続くと見込まれる全日制高校を再編し、パレットスクールを整備することとしております。
 パレットスクールは、地域バランスを考慮して、東西南北4か所に設置することとしておりますが、その場合は、周辺の夜間定時制課程の統合を行うこととしておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
 なお、定時制課程同士で再編整備をする場合は、入学率、在籍率等に留意して、行うこととしております。
 定時制高校の再編整備につきましては、夜間定時制やパレットスクールのバランスのよい配置に努めるとともに、生徒がいきいきと学び続けることができるよう、定時制教育の充実を図ってまいりたいと存じます。

【再質問】山川百合子

 教育長の御答弁の中で、戸田翔陽高校のIII部の生徒の8割が学校行事には参加しているし、また部活はI部とII部の間、それからII部とIII部の間に行っているというふうに御答弁がありました。現在、夜間の定時制高校に通っている子供たちは、パレットスクールでも学び続けられるような、そんなシステムにしていくというような御答弁もありました。

 しかし、一つ問題がここにあると思っています。一つは、定時制に通っている子供たちがほとんど、働く子供たちの減少ということを定時制高校の統廃合の一つの前提としているのではないかと思われるところでございます。定時制高校に通っている子供たちの働いている状況を見てみますと、大体65パーセント前後の子供たちが働いていると言われております。

 一方、既に始まっておりますパレットスクール、戸田翔陽高校のIII部の子供たちの働いている割合、これは一つの指標というか、一つのデータとして、夜食、給食の補助を受けている子供たちの割合を見ますと、去年の数字で17パーセントというふうに出ております。

 一方、今回、再編整備の中期の第二期の再編整備で統廃合の対象となっております鴻巣高校の定時制においては、夜食の補助を受けている割合が70パーセントでございます。これを見ますと、夜間定時制に通っている子供たちの多くが働いている。一方、戸田翔陽高校のIII部に通っている子供たちの2割弱のみ働いているという、数字として現れていると思います。

 そうしますと、では夜間定時制に通っている子供たち、働いている子供たちがパレットスクールに行って、それまでに得られてきた学習の機会、学びの機会を得られるのかという疑問が起こります。といいますのは、先ほどの引用しました御答弁の中で、部活はIからII部の間、それからII部からIII部の間に行われているということは、III部の授業が始まる前に部活が行われているということでございます。そうしますと、働いている子供は部活に参加することができません。それをどう思われていらっしゃるのでしょうか。

 働きながら学ぶ子供たちの学ぶ機会というものについて、パレットスクールでは本当に提供できるのか、その学ぶ機会というのは、もちろん授業での学びだけではなくて、学習指導要領にも示されておりますし、基本計画の中で部活動の充実というものを書かれておりますけれども、教科書を通じた勉強以外の特別活動やクラブ活動を通じての学ぶ機会、その学ぶ機会の提供ということについては、パレットスクールではどうなんでしょうか。実際数字を見たり、先ほどの御答弁をお伺いしていますと、学ぶ機会を提供していないのではないかというふうに思われますが、いかがでしょうか。

島村和男 教育長

 「県立定時制高校の再編整備について」でございますが、学校行事に夜間のIII部の生徒の8割が参加している、あるいは部活動も3割ぐらいで、I部、II部と同じような数字であるということで、そうしたことに対して、定時制ではありますが、夜間に学ぶ生徒も午前、午後の生徒と数字の上では変わりがないことでございますので、そうした意味では、部活の、あるいは学校行事について、遜色なくと言いますか、大きな差異がないものであろうというふうな理解をしております。

 部活動につきましては、ただ、申し上げたように、II部とIII部の間で主に3割の生徒が活動しているということでございますが、そこでなくてはいけないということで学校側が強制しているとか、いうことではございませんで、結果的にそういう時間帯で多くの生徒が集まり、部活動をしているということであります。
 希望等があれば、学校側としても、III部の授業が終わった後に、顧問の教員の協力も得て、活動することについては、考え方としては持っているということでございます。

 また、働く生徒の割合でございますが、私どもが把握している働く生徒というのは、なかなか統計取りづらい面がございますが、いわゆる正規の仕事に就いている定時制の生徒の割合は、定職率と申しますが、昨年度3.6パーセントでございます。

 また、議員お話しにも出されましたが、給食補助の基準が年間パート、アルバイトで90日以上、職に就いているということが、給食の補助の要件になっておりますので、そうした統計がございますが、そうした90日以上パート、アルバイト等で働いている者が昨年度31.4パーセントという状況でございます。

 それと比べまして、戸田翔陽高校の夜間の定時制の生徒の比率というのは、若干、低いような話を聞いておりますが、ちょっと今具体的な数字を申し訳ありませんが出せませんが、それほど差はない、若干下回る、というようなことでございます。

 そうした意味で、先ほど私が可能な範囲で数字等を挙げて、お話しして、個々の生徒の実態というのはなかなか比較ができずらいものでございますので、数字でお話しいたしましたが、 今後の戸田翔陽高校の学校運営、あるいは今準備しております狭山新校、そして成案にはなっておりませんが、吹上のパレットスクール、それぞれ構想を計画していく段階では、それぞれの統合される定時制高校の関係者が入った、あるいは地元の市、町の方々が入った新校準備委員会が設置されますので、そうした中で十分に御指摘の点等も踏まえまして検討していってもらいたいというふうに思っております。以上でございます。

【再々質問】山川百合子

 教育長の方から、いろいろ数字も挙げて御答弁をいただきましたが、御答弁をいただいている中で、教育長がパレットスクール、戸田翔陽高校は第一号なんですが、パレットスクールが定時制のかわりとなり得るというふうな、自信を持ってお答えいただいているようには見えません。教育長がそういった不安の中でやられているのであっては、本当に私も心配しております。やはり問題は、生徒のことでありますので、県教委として本当にパレットスクールが夜間定時制のかわりになり得ているというのであれば、本当に生徒に分かりやすい設置基準なんかも示さなければいけないと思うんですが、いろいろお答えいただきましたが、その点がよく分かりません。是非、その点については本当に大事なことです。子供の学ぶ機会を奪わないでほしいという大切な点ですので、是非その点には御留意いただければと思います。それを含めまして、もう一度御答弁をいただければと思います。お願いします。

島村和男 教育長

 今回の再編計画におけるパレットスクールの設立の推進につきましては、自信を持って進めています。
 それから、パレットスクールの設立基準でございますが、最初の答弁でも申し上げましたが、全日制に併置する形の定時制高校を統合する形で、東西南北地域バランスをとって、在籍率の低い学校などを、総合的に勘案してパレットスクールを設置します。
 周辺の定時制高校については、これは、在籍率等に関わりなく、方向としては「21世紀いきいきハイスクール推進計画」において、統合するということで、そうしたことで、準備を進めているものでございます。

「くぬぎ山自然再生事業」計画地域内の産業廃棄物処理施設設置問題について

山川百合子

 この件については、6月、当議会において当麻議員が既に質問をされ、答弁をいただいた件でありますが、一点だけ質問したいと思います。

 本県の処理施設設置については、建築基準法第51条ただし書き許可が必要とされ、都市計画上の支障の有無がないもののみを許可することができるとされています。本件申請地は、県の取り組む、くぬぎ山地区自然再生事業計画地域内にあり、2005年3月に策定したくぬぎ山地区自然再生全体構想では、本件のような産業廃棄物処理施設を含む改編施設について、移転誘導を進めると明記されています。

 しかし、本年8月1日、都市計画審議会において、建築基準法第51条ただし書きの答申がなされてしまいました。このことは、自然再生全体構想に反しているとともに、関係自治体である狭山市からは、処理能力増設は好ましくないと、また所沢市長からは、事業所の粉じん、騒音等が周辺環境に影響を及ぼすおそれがあり、環境への配慮をと意見が出されたにもかかわらず、許可されたことは大変残念なことと考えます。

 今後は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第15条の2に基づく県の廃棄物処理施設の許可審査が行われると思いますが、慎重に対処していただきたいと思います。施設の許可に当たっても、都市計画審議会と同様の関係自治体の意見は出されているはずだと思いますが、これらはどのように尊重、配慮されるのでしょうか。

 また、事業者による計画の説明や周知を十分に行うことも意見として出されています。これについても、事業者からの議事録の提出などで丁寧に確認し、周辺の環境悪化への十分な配慮がなされない場合には、規模の縮小あるいは不許可とするなど、地球環境と生活環境の保全の見地に立ち、厳正な審査をしていただくようお願いしたいと思いますが、知事の姿勢をお伺いします。

上田清司 知事

 くぬぎ山地区は本県にとって、未来の世代に引き継ぐべき貴重な緑地空間だというふうに認識しております。
 したがいまして、事業者が移転することを基本的に望むものでありますが、強制ができないところが残念なところでもあります。
 当該処理施設の審査については、廃棄物処理法に基づいて、厳正に進めてまいります。
 くぬぎ山の自然再生については、今後も、地権者をはじめ地元市町や関係者の御協力をいただいて、しっかり取り組んでまいります。

元草加保健所(現越谷保健所草加分室)の有効活用と県民サービスの充実について

山川百合子

 人口24万人の草加市では、昭和42年に保健所が設置され、県民の健康を守る拠点としての役割を果たしてきました。しかし、県の保健所再編によって、隣の越谷市の保健所に統合され、今年4月から草加分室となりました。業務は、母子保健と難病の受付業務及び食品営業関係と大幅に縮小し、四名体制で行われています。ここは、敷地3300平方メートル、施設面積は約1150平方メートル二階建て、約40台分の駐車場がありますが、現在は一階部分のみ常時利用され、36人定員の大会議室や12人定員の小会議室は保健所関係団体が利用していますが、それでも今年度4月から6月の利用は計26回でございます。

 もともと、この保健所は昭和40年6月に草加市が保健所用地として購入、翌昭和41年2月に埼玉県に無償贈与し、昭和42年に開設されたものです。このことは、当時の草加市議会の議事録にも明記され、多くの草加市民はそのことを記憶しています。

 このような現状と経緯を踏まえ、草加市は、この元草加保健所、現越谷保健所草加分室について、3300平方メートルの広い敷地に四人体制の分室では、市が無償提供した公共用地であるにもかかわらず、その有効活用の点からは非効率であり、市民の納得も得がたいことから、県がそのほかの医療福祉関係、また、そのほかの県の施設として利用しない場合は、土地を返還してほしいと要請しています。また、草加市議会では今年3月、草加保健所跡地に総合的な地域生活支援センターの設置を求める決議が出されています。

 そこで、これらの経緯と市民の思いを踏まえ、県民サービスの向上と公共用地の有効活用の視点から、以下、知事、保健医療部長、そして総務部長に伺います。

 まず最初に、知事に、草加市民の税収を基に寄附してつくった財産が、それが有効に使われていない現状についての見解をお願いいたします。  次に、四人体制の分室業務は、必ずしも元保健所の施設を利用しなくても可能であると思います。四人体制、会議室の利用も限定されている、駐車場や施設もほとんど活用されていないといった現状は、改善が必要と思いますが、保健医療部長に伺います。

 次に、県では当面、分室としての機能を維持していくということですが、分室としての機能はいつまで維持するのか、いつごろ今後の見通しを示せるようになるのか、保健医療部長に伺います。

 現在、草加市には県立の施設がありません。この分室の非効率さにかんがみ、その機能は市のほかの施設に移設し、県民の健康と福祉に寄与する県の他施設として活用していくべきではないでしょうか。

 さらに、市税を投入して土地を提供した経緯を尊重し、県民サービスの向上の観点に立って、有効活用について草加市と十分協議をしていただき、積極的に検討していただきたいと思います。例えば、地域の要望に従って無償で施設を貸し付けるなど、有効活用を図っていただきたいと考えますが、保健医療部長に伺います。

 次に、この敷地の有効活用がなされない場合、草加市は土地を返還してほしいと県に要請をしています。これについて、県の草加市への回答は、国有財産法を基につくられた埼玉県の財産の交換、譲与、無償貸与等に関する条例に基づく事務取扱要領では、譲与を可能とする年数が規定の期間20年を超えているので、譲与ができないというものでした。しかし、条例の基となる国有財産法の特別措置法では、このような年数の制限はなく、県独自に、しかも要領として定めているだけです。

 そこで伺います。昭和50年代前半ごろまで、県の施設を設置するに当たり、地元市町村から土地の無償譲与が行われてきたようですが、市町村から土地の無償譲与を受け、県の施設を設置している施設については、知事部局、教育局、警察本部、それぞれ主な箇所を例としてお示しください。総務部長にお伺いします。

 また、様々な県立の施設が廃止や市へ移管されている現在、譲与された土地の取扱いが地元の住民へ説明も含めて課題となってくると思われます。これまで、県は廃止、移管の際、どのような対応をしてきたのでしょうか、総務部長にお伺いします。

 そして今後、時代の変化の中で、市町村の自立をバックアップするという視点からも、要領は改正するべきだと考えますが、いかがでしょうか。知事から御答弁をいただきたいと思います。

上田清司 知事

 現状の認識についての質問でありますが、本年4月の保健所再編によって設置されました越谷保健所草加分室は現在も県の地域機関として使用されております。
 御案内のように、難病等の公費負担医療費の申請受付や相談など、県民の方々の密接な業務を行っています。
 また、会議室などの施設・設備については、本来業務に支障のない範囲内で、多くの方々に利用をされています。
 ただ、山川議員が認識されておられますように、同じように利用度が少ないじゃないかという御指摘をほかからもいただいておりますので、当然有効活用についてもう一段勉強をしなければならないと考えております。

 次に、「財産の交換、譲与、無償貸付等に関する事務取扱要領」の改正についてでございます。
 この要領では、県が用途廃止した土地を寄付者へ無償譲渡できる場合を寄付の日から20年を経過していないものに限定しております。
 県の要領が制定された昭和50年当時は県立高校をはじめ県有施設が最も増加した時期でありました。
 現在、県では事業や施設の見直しを行い、不要となった県有施設の廃止、売却を進めているところでございます。

 こうした廃止、売却を進めるに当たっては、かつて県事業のために土地を寄付していただいた市町村に対する配慮も当然必要であります。
 今後、寄付地の取扱いについては、市町村から具体的な事情などもお聞きしながら対応してまいりたいと考えています。

中村健二 保健医療部長

 まず、現状の改善についてですが、保健所分室では難病等の公費負担医療費の申請受付や相談などを行っております。
 これら保健所分室としての使用のほか、本来業務に支障のない範囲内で会議室等について外部の方々にも御利用いただいております。
 給食研究会また健康食の会などの保健所関係団体には役員会や定期総会の会場として御利用いただいております。
 また、小学校児童の心臓検診会場として、診察室や駐車場など御利用いただいており、今後も引き続き、有効活用に努めてまいります。

 次に、分室としての機能をいつまで維持するかの見通しですが、保健所分室は県民サービスに密着した組織でありますので、当面は保健所分室として運営してまいります。
 また、分室の移転と他施設としての活用につきましては、今も申しましたとおり、当面現状のまま保健所分室として活用してまいりますので、御理解賜りたいと思います。

 最後に、有効活用についての草加市との協議ですが、これまでも草加市からは御要望をいただいており、意見交換を行っております。
 今後も引き続き、保健所分室の有効活用について検討してまいります。

馬場竹次郎 総務部長

 まず、無償譲渡を受けた主な施設についてでございます。
 知事部局では、加須保健所、産業技術総合センター北部研究所、旧春日部福祉センターなどがございます。
 教育局では、川越女子高等学校、旧民俗文化センター、旧富士見青年の家などがございます。
 警察本部では、吉川警察署、北部機動センターなどがございます。

 次に、施設の廃止、移管の際どのような対応をしてきたかでございます。
 同種の事業に移管をした例といたしましては、昭和18年に当時の粕壁町から寄附を受けました旧春日部福祉センター用地を、平成17年4月、施設の廃止に併せて、春日部市に勤労者福祉施設として移管をいたしました。
 また、売却をした事例といたしましては、昭和38年に羽生市から寄附を受けました旧畜産羽生職員住宅用地を、用途廃止後、市からの購入希望がないため、平成16年に地元の学校法人に売却したところでございます。

【再質問】山川百合子

 保健医療部長から保健所の分室としての利用を当面という御答弁がありましたけれども、当面というのは1年ぐらいというふうに思ってよろしいのでしょうか、再度お伺いします。

 それから、もう二点目といたしまして、知事にお伺いをいたします。

 私の質問の中で、要領の改正について知事のお考えをお伺いいたしましたが、それについて明快な御答弁をいただけなかったので、もう一度お伺いしたいと思います。

 最初の質問の中でも述べましたけれども、埼玉県の条例のもととなっている国有財産法の特別措置法では、20年の期間設定というのはなされておりません。埼玉県の方として、要領として独自に定めているものでございます。実は、草加の保健所だけではなくて、草加市には草加文化会館というのがありましたけれども、これもやはり市が土地を提供して会館を設置し、そして県から市への会館の移管のときに土地は無償で譲与をされました、そういう経緯があります。そういった経緯がありますし、ほかに越谷の青年の家等の同様な例もございます。なぜ、この要領があるにもかかわらず、このことが可能であったかといいますと、それは要領に定められております取扱いの特例というのがありまして、そこで知事が決めることができるということが明記されているからでございます。つまり、知事の判断によって可能であるということでございます。

 しかしながら、今後、このような同様な案件というのはいろいろ出てくると思いますので、その時々の知事の判断ではなくて、やはり要領をちゃんと整備する必要があると思いますが、もう一度改正についての知事のお考えをお伺いいたしたいと思います。

上田清司 知事

 「財産の交換、譲与、無償貸付等に関する事務取扱要領」の改正について、踏み込んだ答弁がなかったという再質問であります。
 まず、基本的に御理解をいただきたいのは、こうした保健所の再編整備そのものが、今年度からスタートしたものであるということでございます。
 そして、その過程の中で、今、いろいろな問題が起きているという御指摘をいただいております。これが、まず、大前提であります。

 そのうえで、寄附地の取扱については、取扱要領の中に、知事の判断による特例があるということも承知しておりますので、個別の事情をそれぞれお聞きしながら、最終的には判断しなければならないと思います。

 まさに、今、聞いている段階でありますので、この場面で、イエスとか、ノーかという話ができにくい、このように御答弁させていただきます。

中村健二 保健医療部長

 保健所分室の業務、組織は直接県民サービスに関わる問題であり、その期限を現段階では考えておりません。

【再々質問】山川百合子

 最後に御答弁をいただきました保健医療部長の御答弁の内容が分かりませんので、もう一度御答弁をいただきたいと思います。

中村健二 保健医療部長

 保健所分室としていつまで機能を維持するのか、また移設するのかということについて、現段階では特に期限は考えておりません。

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、正式な会議録とは若干異なります。